おススメでない本を紹介するのはおかしいのですが・・・。
おススメでない本の記事が意外に面白かったりして。
ボツ2作、UPしてしまいます。
「シャトゥーン ヒグマの森」 増田俊也 宝島社文庫
こんな本、読まなきゃ良かった・・・、そう思える本が時々あります。
残念ながらこの本も、その一つ・・・。
この作品は、第五回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞受賞作品。
まあ、この時点で、若干警戒心は持ったのですけれど。
このミス大賞作品は、面白いのは確かですが、
アクが強くて辟易することも多いのです。
舞台が北海道の手塩研究林、などというところに興味を引かれ、
ついフラフラと手に取ってしまいました。
主人公はクマです。
・・・いえ、そうじゃないのですが、でも、クマです。
つまりこれは「ジョーズ」なのですね。
ジョーズならとりあえず海から離れれば襲ってこないです。
ところがこのヒグマは、車の中でも家の中でも、木の上でも
とにかく執拗に襲ってくる。
向き合ってもダメ、
死んだフリもダメ。
何がイヤかといえば、
生きたまま食われてしまうヒトのシーンがいくつもいくつも・・・。
描写が生々しすぎです。
具合悪くなります。
くれぐれも気の弱い方は、読みませんように。
それがありのままの自然なのかもしれませんが、
スプラッタは好きではありません・・・。
シャトゥーンというのは、冬ごもりしそこねて、
冬になっても外を出歩くクマのことだそうです。
なぜそうなるかというと、つまり、秋に食物が足りずに、
栄養を蓄えることができず、冬ごもりに失敗したということなのです。
この物語では、増えすぎたネズミを駆除するために撒いた殺鼠剤の影響で、
生態系が崩れた挙句の、
このクマの時ならない出現となったという設定。
このように現代的な自然環境破壊への警鐘も、
きちんと書かれているのですけれどね。
なにぶんにも刺激的過ぎます・・・。
この著者は、現在ノンフィクション分野で活躍しているそうで、
ああ、それなら良かった、と思います。
はっきり言って私はこの方の小説はもう読む気になれません。
ノンフィクションの方が多分力量を発揮できると思います。
こんな本を読んだ矢先、札幌の南区でクマ出没のニュースがありました。
我が家とは方向違いですが、
うちのほうも、時々出没する地域ではあるのです。
くわばら、くわばら・・・。
やはり、あまり山奥に踏み込むのは止めることにしよう・・・。
満足度★★☆☆☆・・・(いや、本当は★☆☆☆☆にしたいくらいですが、このミス大賞に若干敬意を表して・・・。)
「エンド・ゲーム 常野物語」 恩田陸 集英社文庫
常野物語シリーズ、第3弾ということで、結構期待して読んだのですが・・・。
常野一族というのは、人を見通し、癒し、守る、特殊な力を持つ一族。
いつの頃からか、この日本にそういう人々がいて、ひそかに血をつないできた。
前2作では、そういう一族とごく普通の人々とのふれあいの中で生じる、
微妙な心の揺れ---共感であったり、また反感であったり、
そういう部分でロマンチックな語りとなっていたと思います。
一般の人とは異なった能力を持ってしまったが故の哀しみ、
そういうところに魅力を覚えました。
さて、この巻は・・・。
常野一族の末裔、拝島瑛子。
その娘時子。
失踪した父。
謎の人物火浦。
登場人物がすべてその一族か、ゆかりのある者なのです。
さかんに出てくる、「裏返す」や「洗濯する」という言葉。
完全に著者の空想の設定上の物語になってしまっていて、
よくわからない上に、
登場人物にひかれもしないし、
共感もできない、
という困った作品に思えました。
残念ですが、私的には×です。
多くを語ると余計ひどいことになりそうなので、ここまで。
満足度★★☆☆☆
おススメでない本の記事が意外に面白かったりして。
ボツ2作、UPしてしまいます。
「シャトゥーン ヒグマの森」 増田俊也 宝島社文庫
こんな本、読まなきゃ良かった・・・、そう思える本が時々あります。
残念ながらこの本も、その一つ・・・。
この作品は、第五回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞受賞作品。
まあ、この時点で、若干警戒心は持ったのですけれど。
このミス大賞作品は、面白いのは確かですが、
アクが強くて辟易することも多いのです。
舞台が北海道の手塩研究林、などというところに興味を引かれ、
ついフラフラと手に取ってしまいました。
主人公はクマです。
・・・いえ、そうじゃないのですが、でも、クマです。
つまりこれは「ジョーズ」なのですね。
ジョーズならとりあえず海から離れれば襲ってこないです。
ところがこのヒグマは、車の中でも家の中でも、木の上でも
とにかく執拗に襲ってくる。
向き合ってもダメ、
死んだフリもダメ。
何がイヤかといえば、
生きたまま食われてしまうヒトのシーンがいくつもいくつも・・・。
描写が生々しすぎです。
具合悪くなります。
くれぐれも気の弱い方は、読みませんように。
それがありのままの自然なのかもしれませんが、
スプラッタは好きではありません・・・。
シャトゥーンというのは、冬ごもりしそこねて、
冬になっても外を出歩くクマのことだそうです。
なぜそうなるかというと、つまり、秋に食物が足りずに、
栄養を蓄えることができず、冬ごもりに失敗したということなのです。
この物語では、増えすぎたネズミを駆除するために撒いた殺鼠剤の影響で、
生態系が崩れた挙句の、
このクマの時ならない出現となったという設定。
このように現代的な自然環境破壊への警鐘も、
きちんと書かれているのですけれどね。
なにぶんにも刺激的過ぎます・・・。
この著者は、現在ノンフィクション分野で活躍しているそうで、
ああ、それなら良かった、と思います。
はっきり言って私はこの方の小説はもう読む気になれません。
ノンフィクションの方が多分力量を発揮できると思います。
こんな本を読んだ矢先、札幌の南区でクマ出没のニュースがありました。
我が家とは方向違いですが、
うちのほうも、時々出没する地域ではあるのです。
くわばら、くわばら・・・。
やはり、あまり山奥に踏み込むのは止めることにしよう・・・。
満足度★★☆☆☆・・・(いや、本当は★☆☆☆☆にしたいくらいですが、このミス大賞に若干敬意を表して・・・。)
シャトゥーン ヒグマの森 (宝島SUGOI文庫) (宝島社文庫)増田 俊也宝島社このアイテムの詳細を見る |
「エンド・ゲーム 常野物語」 恩田陸 集英社文庫
常野物語シリーズ、第3弾ということで、結構期待して読んだのですが・・・。
常野一族というのは、人を見通し、癒し、守る、特殊な力を持つ一族。
いつの頃からか、この日本にそういう人々がいて、ひそかに血をつないできた。
前2作では、そういう一族とごく普通の人々とのふれあいの中で生じる、
微妙な心の揺れ---共感であったり、また反感であったり、
そういう部分でロマンチックな語りとなっていたと思います。
一般の人とは異なった能力を持ってしまったが故の哀しみ、
そういうところに魅力を覚えました。
さて、この巻は・・・。
常野一族の末裔、拝島瑛子。
その娘時子。
失踪した父。
謎の人物火浦。
登場人物がすべてその一族か、ゆかりのある者なのです。
さかんに出てくる、「裏返す」や「洗濯する」という言葉。
完全に著者の空想の設定上の物語になってしまっていて、
よくわからない上に、
登場人物にひかれもしないし、
共感もできない、
という困った作品に思えました。
残念ですが、私的には×です。
多くを語ると余計ひどいことになりそうなので、ここまで。
満足度★★☆☆☆
エンド・ゲーム―常野物語 (集英社文庫)恩田 陸集英社このアイテムの詳細を見る |