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私にミスティを聞かせて・・・
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これはクリント・イーストウッド、初監督作品ですね。

はい、まあ、そのお祝い(?)の意味か、ドン・シーゲル監督がバーテンダー役で友情出演してるんですよ。

あ、そうなの、ちっとも知らなかった。

ここではクリント・イーストウッドは、ラジオの人気DJ、デイブ。

やっと、銃と縁が切れたんだね。

しっとりと、詩を読んだりしながら、リクエスト曲をかける。まあ、ガンファイトには絶対ならないよね。

いつも、同じ女性がリクエストの電話をかけてくるんだよね。
「“ミスティ”をかけて」、と。

そう、それでこの作品の原題が"PLAY MISTY FOR ME"なんだけど、原題の方がおしゃれだよね。

そうだね。けど直訳だと、邦題としてすわりが悪いということか・・・。

今なら、そのままカタカナにしちゃうだろうね。
さて、話をもどして、ある夜、バーで知り合った女が、そのいつもの電話の女性であるイブリン。

デイブは、心に決めた恋人トビーがいるにもかかわらず、イブリンと関係を持ってしまうんだね。

さて、そこまでは良くある単なるプレイボーイの浮気話。問題はここから。

イブリンが異常になれなれしく付きまとってくるんだね。

愛だの、恋だのじゃない。一夜限りの関係と割り切っていたはずなのに。

つまりこれってストーカー?

そうだね、でもこれは1971年の作品で、その頃まだ「ストーカー」という言葉はなかったね。

言葉はなくても、そういう人はいるわけだ。

別れ話を持ち出せば自殺を図る。
突然切れて、暴れる。
だんだんそういう狂的な部分が見えてくるんですよ。

恋人とは別れたくないし、・・・次第に追い詰められていくデイブ。

心理的に、ちょっぴり怖いストーリーでした。

でもさ、もとはといえば、恋人がいながら浮気したデイブが良くないんだよね。

その通りです。男性諸氏は肝に銘じるように。

“ミスティ”という曲の名前は何度もでてくるのだけれど、映画中ではずっとその曲は流れないよね。

そうそう、一体どんな曲だっけ???と思わせる。

それが、最後の最後にかかるんだよね。ここの演出がなかなかしゃれていました。

で、結局、この初監督作品ってどうなの?

う~ん、そう手放しにいいとは言いがたいかなあ。

これまでの豪快なガンマンが、1人の女に振り回される役・・・というのは、いいんだけどなんか違和感あるし。

本人がイメージ変えたいという気持ちもあったんだろうねえ。
途中、デイブとトビーの不必要に長いラブシーンがあったりして、あまりテンポも良くない。
まあ、やっぱり初監督作品なんでしょう。

ほんの出発点、ということか。
1971年/アメリカ/103分
監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド、ドン・シーゲル、ジョン・ラーチ、ジェシカ・ウォルター
恐怖のメロディ (1971)予告編 PLAY MISTY FOR ME Movie Trailer