必殺仕事人とは一線を隔して
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さて、ダーティハリーの2作目です。

これはちょっと、ハリーには皮肉な事件という気がしましたねえ。

売春組織や麻薬組織、そういういわゆるギャングの大物が、
捕まっても証拠不十分ですぐ釈放されてしまう。

そういうことが常にある、という状況なのですね。

そこで、ある正義感の強い警官が、法の手を借りずに悪人に制裁を加える
・・・つまり、殺しちゃうわけですが、そういう連続した事件が起こる。

作品中では、犯人は警官というところまではわかるけれど、
誰なのかはわからない、そういう描き方をしているね。

そう、事件の捜査を始めたハリーの周りに、その犯人と思しき人物が何名か・・・。

真犯人は誰?・・・という興味もあるわけだね。

これはまあ、「仕事人」的要素もあって、見方によれば犯人もヒーローだ。

その辺が複雑なところだね。

ともすると、銃が先に出てしまうハリーは、
しかし、犯人に組みしません。

彼にしても、法を無視していいとまでは思っていないわけですよね。
ただ、相手が撃ってくるから、撃ち返すまでだと・・・。

ハリーの刑事としての生き方がだんだん明確になってきますね。

前作と同じに、また昼食かなんかで、口をもぐもぐしながら、
余計な事件に首を突っ込むよね。

そう、ここではなんと、ハイジャック事件。
パイロットに変装してコックピットに乗り込む。
飛行機は滑走路を走り出す。
え~、操縦なんてできるの??観ていてもハラハラしてしまいましたが、
「操縦は習ってない。」

おいおい・・・。

ま、ここがお楽しみ部分なので・・・。
映像をご覧ください・・・。これも、山田康雄氏吹き替えです!

それから、今回の相棒アーリは、殉職してしまいました・・・。

ご愁傷様です・・・・。

全体的には第一作より、こなれた感じです。
ダーティハリーのスタイル、というのが出来上がってきている。

射撃の競技シーンが興味深かったですね。
的の人型をめがけて銃を撃つのだけれど、
的には、こちらへ銃口を向けた犯人、一般人、警官などが混じっていて、
射撃の腕もさることながら、瞬時の見極めも必要になる。
ハリーは一箇所だけ間違えて「警官」を撃ってしまうのだけれど・・・。

そのことは、この作品でハリーが警官を犯人として追っていることを暗示しているわけですよ。

あ、なるほど。単に、弘法も筆の誤り、ってわけではないのね。意外と奥も深かったんだ~。
1973年/アメリカ/122分
監督:テッド・ポスト
出演:クリント・イーストウッド、ハル・ホルブルック、デヴィッド・ソウル、ティム・マンスン
ダーティハリー2 日本語吹替版