老いればなおさらに、人との心のつながりが大切

* * * * * * * * * *
人生の黄昏時を迎えた男女の恋の物語。
本作は若い方が見てもあまりぴんとこないのではないかと思います。
それなりの年齢に達した方なら、まあ、こういうのもいいかなあ・・・と。
でもやはり、ラブストーリーは美男美女が演じるからこそ美しい。
イヤもちろん主役のお二人も、
お若いころはそれはそれは魅力的だったことは知っていますが、
ラブストーリーには自分の年も忘れて
『ロマン』に浸るという効用を求める部分もありますので、
微妙なところです。

妻を失い、生きる気力を失くしたフレッド(クリストファー・プラマー)が、
娘の勧めるアパートに越してくるのですが、
やはり何をする意欲もなく、引き籠もり生活をしています。
そこへ現れたのがアパートの隣人・エルサ(シャーリー・マクレーン)。
彼女はフレッドを何かと気遣い、外へ連れ出すなどおせっかいを焼きます。
始めは嫌がっていたフレッドも次第に彼女に心惹かれ始め・・・。

さてさて、このエルサがなかなか一筋縄ではいかない人物なんですね。
多分若い頃は“コケティッシュ”とでも言えるような雰囲気であったことでしょう。
自分の願望を事実として言葉にしてしまうような、
ちょっと嘘つき。
それに“オバサン”が入っておせっかい焼き。
エルサはフェデリコ・フェリーニの「甘い生活」の一シーンに憧れているのです。
主人公の美女がトレヴィの泉で戯れて水に打たれるシーン。
いつかローマへ行って、同じようにするのが夢・・・。

う~ん、実のところ私、身の回りにこんな女性がいたら、
きっと嫌いだと思います。
男に媚びを売るような感じがどうも苦手で・・・。
いい年して、夢見がち過ぎ・・・。
本作中もエルサには同性の友人が訪ねてきたりはしていませんでした。
フレッドには友人が訪ねてきていましたが。

包容力のある男性は、多分女のウソを認めつつも
「可愛い、守ってやりたい」と思えるのでしょうね・・・?
始めは彼女の話をすべて本当と思い込んでいたフレッドは、
それがウソとわかると怒りもし、失望もするのですが、
次第にそのウソもまた愛しいと思えてくる。
あ、イヤ、その気持が分からないとはいいません。
たぶん、男性は自立した女性よりそういうほうが好きなんでしょうから。

が、いい加減なことはペラペラ喋るくせに、
彼女は一つだけフレッドに言っていないことがあって・・・。
と、ここのところがなければ、
本作はとんでもない駄作で終わる所でしたが、
まあ、晩年にこのように人と心の交流があって、安らぎを得られるのはいいなあ・・・と、
そのへんで納得できた次第です。
お年寄りは子供や孫にお金を残すのではなく、
自分のために使うべきです。
振り込め詐欺にだましとられる前に。

こちらが「甘い生活」のアニタ・エクバーグ
「トレヴィの泉で二度目の恋を」
2014年/アメリカ/97分
監督:マイケル・ラドフォード
出演:シャーリー・マクレーン、クリストファー・プラマー、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ジャレッド・ギルマン、クリス・ノース
老いらくの恋度★★★★☆
ロマンス度★★☆☆☆
満足度★★★☆☆

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人生の黄昏時を迎えた男女の恋の物語。
本作は若い方が見てもあまりぴんとこないのではないかと思います。
それなりの年齢に達した方なら、まあ、こういうのもいいかなあ・・・と。
でもやはり、ラブストーリーは美男美女が演じるからこそ美しい。
イヤもちろん主役のお二人も、
お若いころはそれはそれは魅力的だったことは知っていますが、
ラブストーリーには自分の年も忘れて
『ロマン』に浸るという効用を求める部分もありますので、
微妙なところです。

妻を失い、生きる気力を失くしたフレッド(クリストファー・プラマー)が、
娘の勧めるアパートに越してくるのですが、
やはり何をする意欲もなく、引き籠もり生活をしています。
そこへ現れたのがアパートの隣人・エルサ(シャーリー・マクレーン)。
彼女はフレッドを何かと気遣い、外へ連れ出すなどおせっかいを焼きます。
始めは嫌がっていたフレッドも次第に彼女に心惹かれ始め・・・。

さてさて、このエルサがなかなか一筋縄ではいかない人物なんですね。
多分若い頃は“コケティッシュ”とでも言えるような雰囲気であったことでしょう。
自分の願望を事実として言葉にしてしまうような、
ちょっと嘘つき。
それに“オバサン”が入っておせっかい焼き。
エルサはフェデリコ・フェリーニの「甘い生活」の一シーンに憧れているのです。
主人公の美女がトレヴィの泉で戯れて水に打たれるシーン。
いつかローマへ行って、同じようにするのが夢・・・。

う~ん、実のところ私、身の回りにこんな女性がいたら、
きっと嫌いだと思います。
男に媚びを売るような感じがどうも苦手で・・・。
いい年して、夢見がち過ぎ・・・。
本作中もエルサには同性の友人が訪ねてきたりはしていませんでした。
フレッドには友人が訪ねてきていましたが。

包容力のある男性は、多分女のウソを認めつつも
「可愛い、守ってやりたい」と思えるのでしょうね・・・?
始めは彼女の話をすべて本当と思い込んでいたフレッドは、
それがウソとわかると怒りもし、失望もするのですが、
次第にそのウソもまた愛しいと思えてくる。
あ、イヤ、その気持が分からないとはいいません。
たぶん、男性は自立した女性よりそういうほうが好きなんでしょうから。

が、いい加減なことはペラペラ喋るくせに、
彼女は一つだけフレッドに言っていないことがあって・・・。
と、ここのところがなければ、
本作はとんでもない駄作で終わる所でしたが、
まあ、晩年にこのように人と心の交流があって、安らぎを得られるのはいいなあ・・・と、
そのへんで納得できた次第です。
お年寄りは子供や孫にお金を残すのではなく、
自分のために使うべきです。
振り込め詐欺にだましとられる前に。

こちらが「甘い生活」のアニタ・エクバーグ
![]() | トレヴィの泉で二度目の恋を [DVD] |
マイケル・マクドノー,マイケル・ラドフォード,ピーター・ボイル,ニコラス・ヴァンバーグ,アンナ・パヴィニャーノ | |
アルバトロス |
「トレヴィの泉で二度目の恋を」
2014年/アメリカ/97分
監督:マイケル・ラドフォード
出演:シャーリー・マクレーン、クリストファー・プラマー、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ジャレッド・ギルマン、クリス・ノース
老いらくの恋度★★★★☆
ロマンス度★★☆☆☆
満足度★★★☆☆