映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ウルフ・オブ・ウォールストリート

2015年04月14日 | 映画(あ行)
ケチな悪運など吹き飛ばしてしまうが、しかし幸運の女神も寄り付かない



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実在の株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートのセンセーショナルな半生を描きます。
22歳でウォール街の投資銀行へ飛び込んだジョーダン(レオナルド・ディカプリオ)。
学歴もコネもないけれど、斬新な発想と巧みな話術で瞬く間に成り上がっていきます。
26歳で証券会社を設立。
年収4900万ドル。
常識ハズレな金遣いの荒さで世間を驚かせ、
「ウォール街のウルフ」と呼ばれるようになる。
しかしお定まりのように、やがて破滅の時がやってきます・・・。



麻薬とセックスに溺れながら、次々と成功を収めていく・・・。
モラルなど関係なし。
全ては金。
金で買えないものはない!!
決して好きにはなれない人物ではありますが、
この信念とエネルギーには圧倒されっぱなしでした。
過剰なドラッグの摂取に耐え、
嵐の航海や墜落する旅客機に乗り遅れるなど、
体力ばかりではなく運までもが強靭なこの男、
何かがついている、というよりもケチな悪運など吹き飛ばしてしまうというべきか。



ジョーダンの初めての勤め先のボス(マシュー・マコノヒー)が印象的でした。
その後のジョーダンのやり方は、この人に学んだと言っていいのですが、
それでもこの人のやり方はもっとスマートでカッコ良かったですよね・・・。
それから、ジョーダンの元の奥さん。
ブラックマンデーで職を失ったジョーダンに、
それでも株屋を続けるよう薦めたのも彼女だし、
クズ株を売っていたジョーダンに、
「お金を失っても困らない富裕層を標的にするように」
とアドバイスしたのも彼女です。
彼にとって彼女が実は幸運の女神だったように思えるのですけれど・・・。
あまりにもクレージーな酒池肉林の生活に溺れて、
その彼女を手放してしまったのが失敗のもと。



私は、政治経済ネタが苦手で、
しかも最近のレオナルド・ディカプリオのギラギラした感じも好きではないので、
本作、公開時に見ないで終わっていました。
でも、経済など分からなくても、
ジョーダンの生き方を描く作品なので特に問題はありませんでした。
そして、この男のギラギラ感こそはディカプリオにピッタリ。
アカデミー賞ノミネートというのにも納得です。
残念ながら、逃しましたけれど・・・。

ウルフ・オブ・ウォールストリート [DVD]
レオナルド・ディカプリオ,ジョナ・ヒル,マーゴット・ロビー,マシュー・マコノヒー,ジャン・デュジャルダン
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン


「ウルフ・オブ・ウォールストリート」
2013年/アメリカ/179分
監督:マーティン・スコセッシ
出演:レオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒル、マーゴット・ロビー、マシュー・マコノヒー、ジョン・ファブロー
タフな男のタフな生き方度★★★★☆
満足度★★★★☆