映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ケープタウン

2015年04月16日 | 映画(か行)
南アフリカの抱える過去



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題名そのままの南アフリカ、ケープタウンが舞台です。
元ラグビー選手の娘が殺害されました。
捜査に乗り出したのは刑事ブライアン(オーランド・ブルーム)と、アリ(フォレスト・ウィテカー)。
その少女はその日、麻薬の売人と会っていたことを知りますが、
その薬物は、街で頻発している子供の失踪事件の現場で発見されたものと同一であった。
この事件の裏に潜む、組織的陰謀とは・・・


ありがちなサスペンスではありますが、
本作は南アフリカが舞台というところに意義があるのです。
かつてのアパルトヘイト時代。
黒人は差別に耐え、残酷な白人支配に耐えていました。
そんな中で、子供の頃のアリは過酷な体験をしているのです。
しかしそのような憎しみの連鎖を断つべく、
マンデラ大統領が「和解と赦し」を提唱しました。
アリも大統領の考えに賛同し、自らの悲惨な過去の傷を忘れようと努めていたのです。
が、しかし。
終盤、ついにアリがその意志を捨て去る出来事が起こる・・・



「第9地区」を思い出すような
ケープタウンのバラック小屋の立ち並ぶスラムの町並み。
この街が舞台だからこそできるストーリーなのだと思います。


やや、過激な残酷シーンあり。
ご注意を。



オーランド・ブルームは、
「ロード・オブ・ザ・リング」のツルリンとしたレゴラスよりも、
こちらの無精髭の陰りのある刑事役のほうがステキだと、私は思う・・・。

ケープタウン [DVD]
オーランド・ブルーム,フォレスト・ウィテカー,コンラッド・ケンプ,ジョエル・カエンべ
TCエンタテインメント


「ケープタウン」
2013年/フランス/107分
監督:ジェローム・サル
原作:キャリル・フェリー
出演:オーランド・ブルーム、フォレスト・ウィテカー、コンラッド・ケンプ、ジョエル・カエンベ
薬物の危険を訴える度★★★★★
オーランド・ブルームの魅力度★★★★☆
満足度★★★.5