短くも輝いた人生

* * * * * * * * * *
難病と闘いながら将棋に人生をかけ、
29歳で亡くなった村山聖(さとし)その人の実話です。

幼い頃から腎ネフローゼで入退院を繰り返していた聖(松山ケンイチ)は、
父から勧められた将棋に心を奪われていきます。
命を削りながら将棋の道を極め、東の羽生、西の村山と並び称されるまでになった。
しかし、なおも聖は打倒羽生を目指して、上京することにします。
でもその時すでに、聖はなおも厳しい病に体を犯されつつあった・・・。

体重を20キロ増量したという、
松山ケンイチさんの膨らんだ体に、役者魂を見ますね。
しかしなんですね、村山氏は少女漫画に入れ込み、ゴミか何かで覆われ尽くした部屋、
将棋がなければ、どう見てもただのオタクなのですが、不思議な人物です。
それでも、あんなに長時間の対局で、
座っているだけでもかなりしんどそうなのにあの集中力はすごいです。
正に命を削っている感じ。
決して人柄が良いわけでもなく、言いたい放題、お酒にもだらしない・・・
そんな人なのに、何故か周りの人たちがお世話したくなっちゃうというか、
しないでいられなくなってしまうというのも不思議です。

さて一方、羽生(東出昌大)は、スマートでいかにもインテリ風。
健康で、美人の妻もいて・・・。
だからこそ、こいつにだけは負けたくないという思いもあったのだろうなあ・・・
たった一度、二人で飲むシーンがありまして、
趣味も共通するところはなく話は全く合わない。
だけれども、羽生は言います。

「一体自分たちはどこまで行くのだろう。
あちらへ行ったきり、戻ってこられなくなるような気がすることがある・・・」
将棋への思いだけは全く同じ。
ライバル二人の心の重なりが強く美しく響きます。

29歳といえば、本来なら将棋の世界ではまだまだ活躍できたはず。
さぞかし無念であったことでしょう。
けれども、その短い輝きだからこそ、私達の胸を打つのですねえ・・・
「聖の青春」
2016年日本/124分
監督:森義隆
原作:大崎善生
出演:松山ケンイチ、東出昌大、染谷将太、安田顕、柄本時生、筒井道隆、リリー・フランキー
命の燃焼度★★★★★
満足度★★★★☆

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難病と闘いながら将棋に人生をかけ、
29歳で亡くなった村山聖(さとし)その人の実話です。

幼い頃から腎ネフローゼで入退院を繰り返していた聖(松山ケンイチ)は、
父から勧められた将棋に心を奪われていきます。
命を削りながら将棋の道を極め、東の羽生、西の村山と並び称されるまでになった。
しかし、なおも聖は打倒羽生を目指して、上京することにします。
でもその時すでに、聖はなおも厳しい病に体を犯されつつあった・・・。

体重を20キロ増量したという、
松山ケンイチさんの膨らんだ体に、役者魂を見ますね。
しかしなんですね、村山氏は少女漫画に入れ込み、ゴミか何かで覆われ尽くした部屋、
将棋がなければ、どう見てもただのオタクなのですが、不思議な人物です。
それでも、あんなに長時間の対局で、
座っているだけでもかなりしんどそうなのにあの集中力はすごいです。
正に命を削っている感じ。
決して人柄が良いわけでもなく、言いたい放題、お酒にもだらしない・・・
そんな人なのに、何故か周りの人たちがお世話したくなっちゃうというか、
しないでいられなくなってしまうというのも不思議です。

さて一方、羽生(東出昌大)は、スマートでいかにもインテリ風。
健康で、美人の妻もいて・・・。
だからこそ、こいつにだけは負けたくないという思いもあったのだろうなあ・・・
たった一度、二人で飲むシーンがありまして、
趣味も共通するところはなく話は全く合わない。
だけれども、羽生は言います。

「一体自分たちはどこまで行くのだろう。
あちらへ行ったきり、戻ってこられなくなるような気がすることがある・・・」
将棋への思いだけは全く同じ。
ライバル二人の心の重なりが強く美しく響きます。

29歳といえば、本来なら将棋の世界ではまだまだ活躍できたはず。
さぞかし無念であったことでしょう。
けれども、その短い輝きだからこそ、私達の胸を打つのですねえ・・・
「聖の青春」
2016年日本/124分
監督:森義隆
原作:大崎善生
出演:松山ケンイチ、東出昌大、染谷将太、安田顕、柄本時生、筒井道隆、リリー・フランキー
命の燃焼度★★★★★
満足度★★★★☆