映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ちはやふる 上の句

2016年12月07日 | 映画(た行)
青春ですなあ



* * * * * * * * * *

コミックの映画化、ロマコメというのは、あまり近寄らないジャンルですが、
「競技かるた」をテーマとした本作にはちょっと興味を惹かれていました。



幼なじみの3人、千早・太一、新は、競技かるたに夢中です。
でも新が地方へ転居してからは、互いに疎遠になっていました。
時は流れて、高校生となった千早(広瀬すず)は、
新(真剣佑)に会いたい一身で、かるた部を立ち上げようとします。
密かに千早に思いを寄せる太一(野村周平)も加わることになり、
クラブ発足に必要な残り3名もなんとか集まって、無事クラブ発足。
全国大会まで進めばきっと新に会える!
そう信じて、千早は練習に励みます。



しかしまずこの「上の句」編ではその前段階、東京大会までの話となります。
何といっても広瀬すずさんがキラキラしてて可愛くて、
もう文句なしに応援したくなってしまいます。
この起用だけで、ほとんど映画は成功したも同じではないかと思えるほど。
ちょいと陰りのある新も、気になるところではありますが、
もう一人、片思いに甘んじる太一がありのままの人間っぽくて、
私としては“よしよし”としてあげたくなります。
「うたの神様から見放されている」と自覚する太一は、
そうなってしまった理由もまたよくわかっているのです。
醜い自分。駄目な自分・・・。
「俺なんか青春をかけても新にかないっこない」と彼は言うのですが、
ある人は「かけてから言ってみろ!」と彼の背中を押します。
いいなあ・・・、そういうふうに言ってくれる人がいて、ほんとに良かった!!



かるた部のメンバー構成も絶妙です。
呉服屋の娘で古文大好きの奏(上白石萌音)。
彼女ために競技会では皆、はかま姿にならなければならなかったわけですが、
実のところあれでは動きにくいのではないかなあ・・・と、
老婆心ながら思ってしまいました。
せめて、たすきがけは必要なのでは? 
あの迅速な動きには、着物のたもとがいかにもジャマそうで・・・。
そして以前からかるた競技経験のある「肉まん」くん(矢本悠馬)。
実際に戦力になりそうなのが3人はいないと、やはり厳しいですもんね・・・。
最期の一人は、全く経験のない「机」くん(森永悠希)。
超ガリ勉の秀才。
学校の規則でどこかのクラブに所属しなくてはならないので、仕方なく入部したという・・・。
一番の不安材料ですが、しかし、この彼がどのようにチームに馴染んでいくか
というのがまた見どころになっていくわけで、正に、絶妙の配剤というわけです。
というわけで、たっぷり楽しんだ「上の句」。
続きが楽しみです。



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広瀬すず,野村周平,真剣佑,上白石萌音,矢本悠馬
東宝


「ちはやふる」上の句
2016年/日本/111分
監督・脚本:小泉徳宏
原作:末次由紀
出演:広瀬すず、野村周平、真剣佑、上白石萌音、矢本悠馬、森永悠希

青春度★★★★★
満足度★★★★☆