理由のない尾行の果てに
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/60/4d300bcf7aeafe9c7457e5309c45320a.jpg)
* * * * * * * * * *
うーむ。これはなかなか一筋縄ではいかない作品。
何しろテーマは
「なぜ人は存在するのか。何のために生きるのか。」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/2f/7ac4010d6bd4703f11ff7e11cff06b4b.jpg)
本作主人公・白石珠(門脇麦)は、大学院哲学科の院生で、
目下この命題の修士論文に取り掛かろうとしています。
担当教授の篠原(リリー・フランキー)に相談すると、
100人にアンケートを取るよりも、
一人だけを対象とし、密かに張り付いて生活や行動を観察したほうがいい、
というのです。
すなわち、「理由のない尾行」。
珠は、近所に住む、裕福でそれなりの地位にあり、美人の妻と子を持つ男性・石坂(長谷川博己)に注目し、
尾行を開始します。
対象者との接触は厳禁。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/e5/89ca345645d9330ce67c3d4df246b85f.jpg)
ところが、珠は石坂の不倫を目の当たりにしてしまうのです。
尾行することのスリル、そして発覚した秘密の重み。
珠は尾行という行為に取り憑かれたようになっていきますが、
そのことは次第に自分自身をも追い詰めてゆくことになる・・・。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/25/de285d395fce3c85f1dedce9b7224790.jpg)
なぜ「理由なき尾行」が生きることの意味を探ることになるのか、
そこら辺の「哲学的飛躍」は、私にもよくわからないのですが、
一見幸せ極まりない生活に思えるのに、なぜ不倫し、家庭の破滅へ向かおうとするのか・・・、
誰もがフラフラと迷いながら答えを見つけていくしかないと、
石坂の心に自分を重ねてしまった珠は思ったのかもしれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/c5/386d13ed88bf993277f7180c98312e1b.jpg)
珠は卓也(菅田将暉)と同棲していたのですが、
尾行を始めるようになってからはどうもしっくり行きません。
というよりも、それまでも深く彼を理解し愛そうと思っていたわけではなく、
ただなんとなく共にいただけだったのですね。
ついに卓也は
「俺達は何のために一緒に住んでいるんだ?」
と珠に問います。
確かに、このままでは単にルームシェアと変わらない。
珠のなんとも捉えようのない心のぐちゃぐちゃを、
私たちも共に体験するための作品なのかもしれません。
そして、答えは自分で探してね、と。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/ae/ac41dfd9d89d49ed177854aefde9f99a.jpg)
それともう一つ本作には別の軸がありまして、
それは教授自身のこと。
彼がこれまで何を拠り所に生きてきたのか、
生きる意味を何に見出そうとしていたのか、
このことは割とわかりやすく描かれています。
まあ、そう難しく考えなくとも、楽しめる作品ではあるかな?
「二重生活」
2015年/日本/126分
監督・脚本:岸善幸
原作:小池真理子
出演:門脇麦、長谷川博己、菅田将暉、リリー・フランキー
哲学度★★★★☆
満足度★★★★☆
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/60/4d300bcf7aeafe9c7457e5309c45320a.jpg)
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うーむ。これはなかなか一筋縄ではいかない作品。
何しろテーマは
「なぜ人は存在するのか。何のために生きるのか。」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/2f/7ac4010d6bd4703f11ff7e11cff06b4b.jpg)
本作主人公・白石珠(門脇麦)は、大学院哲学科の院生で、
目下この命題の修士論文に取り掛かろうとしています。
担当教授の篠原(リリー・フランキー)に相談すると、
100人にアンケートを取るよりも、
一人だけを対象とし、密かに張り付いて生活や行動を観察したほうがいい、
というのです。
すなわち、「理由のない尾行」。
珠は、近所に住む、裕福でそれなりの地位にあり、美人の妻と子を持つ男性・石坂(長谷川博己)に注目し、
尾行を開始します。
対象者との接触は厳禁。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/e5/89ca345645d9330ce67c3d4df246b85f.jpg)
ところが、珠は石坂の不倫を目の当たりにしてしまうのです。
尾行することのスリル、そして発覚した秘密の重み。
珠は尾行という行為に取り憑かれたようになっていきますが、
そのことは次第に自分自身をも追い詰めてゆくことになる・・・。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/25/de285d395fce3c85f1dedce9b7224790.jpg)
なぜ「理由なき尾行」が生きることの意味を探ることになるのか、
そこら辺の「哲学的飛躍」は、私にもよくわからないのですが、
一見幸せ極まりない生活に思えるのに、なぜ不倫し、家庭の破滅へ向かおうとするのか・・・、
誰もがフラフラと迷いながら答えを見つけていくしかないと、
石坂の心に自分を重ねてしまった珠は思ったのかもしれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/c5/386d13ed88bf993277f7180c98312e1b.jpg)
珠は卓也(菅田将暉)と同棲していたのですが、
尾行を始めるようになってからはどうもしっくり行きません。
というよりも、それまでも深く彼を理解し愛そうと思っていたわけではなく、
ただなんとなく共にいただけだったのですね。
ついに卓也は
「俺達は何のために一緒に住んでいるんだ?」
と珠に問います。
確かに、このままでは単にルームシェアと変わらない。
珠のなんとも捉えようのない心のぐちゃぐちゃを、
私たちも共に体験するための作品なのかもしれません。
そして、答えは自分で探してね、と。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/ae/ac41dfd9d89d49ed177854aefde9f99a.jpg)
それともう一つ本作には別の軸がありまして、
それは教授自身のこと。
彼がこれまで何を拠り所に生きてきたのか、
生きる意味を何に見出そうとしていたのか、
このことは割とわかりやすく描かれています。
まあ、そう難しく考えなくとも、楽しめる作品ではあるかな?
![]() | 二重生活 [DVD] |
門脇麦,長谷川博己,菅田将暉,リリー・フランキー | |
KADOKAWA / 角川書店 |
「二重生活」
2015年/日本/126分
監督・脚本:岸善幸
原作:小池真理子
出演:門脇麦、長谷川博己、菅田将暉、リリー・フランキー
哲学度★★★★☆
満足度★★★★☆