寒波到来?うん、夜の間に雪降った。でも、さらっと一捌け、昼には溶けさ。すでにのぞく陽ざしは春の暖かさだもの。この冬、挨拶と言えば、いやぁ、雪少なくていがったなぇ、まっ、困る人もあっぺけど、だ。ほんと暖かい。
で、心配になるのが貯蔵野菜のことだ。先日の外ランの時にも、早い雪解けで野ざらしになったキャベツの山があった。1mほどの高さで畑の端まで山脈のようにきれいに積み上げてある。すでに雪は完全に溶けて強い陽ざしにさらされ、見るも無惨な様相を呈している。例年なら、今ごろ深い雪を掘って取り出し雪中キャベツとして出荷されるもの、雪の中で一冬過ごしたキャベツは甘みも増し、柔らかさもひとしおで、けっこういい値で売り場に並ぶ。それが、今年は、もはや残渣だ。きっと暖地の春キャベツの出回りが早くて、色あせた掘り出しキャベツじゃ勝負にならないんだろう。がっかりだろうなぁ。
我が家の貯蔵野菜の方はどうかな?この所白菜の魅力に絡め取られて、キャベツの方はとんとご無沙汰、もったいない!申し訳ない!白菜は1個ずつ新聞紙に包んで小屋に積んであるから、さっと手がでるんだよね。それと料理の応用範囲も広い。そこいくと、キャベツって、千切りとかサラダとか、どうも僕の料理能力では部が悪いんだ。でも、一昨日、残り物のキーマカレーにタマネギとキャベツを細かく切ってぶち込んでやったら、キーマの刺激が和らげられて、別の一品に生まれ変わった。よしよし、こんな風に煮物に放り込んでしまえばいいんだ、ってわかったこともあって、恐る恐る、キャベツの貯蔵場所へ。
小屋の片隅に根っこ付きのまま、並べてビニールシートをかけただけ。去年は上手く行ったんだけど、今年は、・・・・ああ、やっぱり、暖かいからねぇ、どろどろに腐ったキャベツの山、シートの所為で水分たっぷり、温度ほんわか、これじゃ微生物の温床だもの、そりゃ腐るわ。でも、もしかして、芯に近い部分は食べられるんじゃないか?気持ち悪かったけど、表面のぬるぬる部分をこそぎ取り、痛んだ葉をばさばさと切り離して、おっ!元気なキャベツ登場!廻りは腐っても、中はまだまだ生命力を維持していたんだ。逞しいもんだ!
これなら後1ヶ月くらいは食いつなぐことができるかもしれない。一緒に囲ってあったセロリも元気!シートの下で成長したらしく、葉の先端がぐいぐいと顔をもたげている。よしよし、それじゃ今夜は、セロリスティックだ。キャベツは、ツナサラダがいいな、やっぱり。
こんな腐りものの中から助け出した野菜たち、他の人なら、そんな不潔な!って顔を背けるだろうけど、冬の寒さを耐え、シートの中の蒸れも我慢し、どこまでも生命を全うしようって野菜たちの気迫は大したもんじゃないか。スーパーにゃ、いつでもどんな野菜でも並んでる暮らし。野菜のひたむきさに学び、野菜の生命力に感謝する、そんな謙虚さが失われているんじゃないのかな。ありがとう、野菜たち!って気持ちがさ。