ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

一つ間違えばキャベツはレース!

2016-07-03 08:50:48 | 農業

 神さんは春のキャベツなんてできっこないって思っている。春先はやたら虫が多くて、移植した苗は夜盗虫に倒され、どうにかすり抜けて生がった葉っぱは青虫の総攻撃でまたたく間に葉っぱは網の目、辛うじて結球したキャベツは虫食いの穴だらけ。無理なのよ、無農薬じゃ。

 確かにね、日本の夏は虫も生き生き、雑草もぐんぐん、豊饒な野生の生命力の中で農薬使わず野菜作るとすれば、四六時中草むしり、虫取り作業に没頭しなくっちゃならない。神さんは頑固一徹、愚直に、あるいは狂ったようにと表現してもいいが、挑戦し続け、惨敗に打ちのめされる日々を送って来たのだ。

 だいたい、今どきの野菜って奴は、凶暴で傍若無人な自然から隔離され大切な箱入り娘のように育てられることが期待されている。お守り役は言うまでもなく殺虫剤、殺菌剤、除草剤、つまり農薬だ。すでに種の段階から農薬にまぶしてあるくらいのもんだ。そんな柔でお上品なお嬢さん方を無農薬で育てようなんて猫に農作業を期待するのと同じことだ。

 と、重々知りつつも、よっしゃ、そんじゃ一丁、やっちゃって上げようじゃないか、無農薬キャベツ作り!と精一杯気負い込んで始めたこの春の野菜作りだった。

 弱者が圧倒的な強者に立ち向かうには入念な戦略が必要だ。今回立てた作戦は、先行逃げ切り、鉄壁の防御、この2点だった。まず春前から種を播き、蝶々や蛾が動き出すより早く苗を育ててしまう。仕立てた苗は即防虫網のトンネル内に定植、虫たちの絶え間なき襲撃から守り通す。無事生育期を通過てきたら、後は勢い、ネットを外して、キャベツは結球、カリフラワー、ブロッコリーは結花へと突っ走るのを待つ。あっ、カリフラワー、ブロッコリーの食用部分は花の蕾だからね。

 上手く行くと思ったんだよ。葉っぱさえ大きく元気に生がっていれば、その光合成力で収穫までたどり着けるに違いないって。うん、カリフラワーとブロッコリーは、ぎりぎり青虫とのせめぎあいを勝ちきって、見事な実りを食卓にもたらしてくれた。が、キャベツは・・・・・

 ご覧のとおり、逃げ切る寸前で追いすがる虫禍に飲み込まれてしまった。反省、反省、反省点は何だ?

 キャベツの結球の方が、カリフラワー、ブロッコリーの結花より時間がかかるってことを知らなかったことだ。まっ、初めて育てたわけだから、そこまで知らなくたって無知を誹られることはないと思う。これも経験、それも経験。だが、もう一つの失敗は悔いが残る。畑の地力が足りなかったんだ。うすうす感じてたんだよ、葉の色とかネットをはぐってからの勢いとかから。だったら、追肥すりゃいいだろうが、と今だから思う。勢いのあるうちに有機肥料を株元に施してやってれば、最後の一鞭で先行逃げ切りできたんだ、実に残念!

 と、いうことで、キャベツは虫さんと共有しつつ食べるしかないだろう。30個もか?いざとなったら鶏さん行きかな。

 初挑戦の無農薬キャベツ栽培、結果は無念、残念だったが、よく使われる表現を借りれば、一定の手ごたえは得られた、ってところかな。ネットをはぐる時期とか、地力の見極めとか。次は任せなさいよ。まして、育てやすい秋作だからね。

 ほら、発芽も順調だしね。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする