迫って来たぞぉぉぉ!公演まで10日を切った。明日は初の通し、と言ってもフレンドリープラザの舞台は使えない。いつもの稽古場、狭いフロア、幕もなければ、楽屋もない。せっかくの力作装置・大道具も持ち込むことさえできない。まあ、やれるのは役者たちのやりとりと早着替えと小道具、それと音のチェックくらいのものかな?いいの、いいの、上等よ。通してみれば粗も見える、勘違いもはっきりする。残りの1週間で手直ししていけばいいんだから。
今回の芝居は、ちょっと特殊な作りになってる。台本構成のシニア仕様だ。主役と舞台回しの役以外は、各シーンに分散してメンバーを配置してある。各シーンをつなぐのは主役のダンサーだけ、4つあるキャバレーシーンは、時代も違えば店も違う、もちろん、ホステスも客も異なるって形だ。こうすりゃ、役者一人一人の出番を限定できるはず。セリフも少なく、動きも極少に抑えられる。記憶力の減衰に悩むシニア役者たちにはありがたぁぁい仕組みだ。でも、シニアも人それぞれ、セリフ苦手、勘弁してよ、って人は1回の登場にし、頂戴出番!って人には2つのシーンを準備した。こんなシニア向け工夫を施した仕掛けになっている。セリフと出番の傾斜配分てことね。気、使ってるわけよ作者も、みんながそれぞれの「ちょい無理」程度でてられるようにって。
ダンスも情け容赦なく、3グループに分けた。まずは若者並みに踊れるソロダンサーを最前列に、2列目にややダンス力が落ちる3人を置いて、最終列にはダンス苦手って人たちに並んでもらう。振付も3パートに分けて難易度も違えてもらった。ランク分けされるてのは、当人にしてみりゃ嫌なことだったかもしれないが、心を鬼にして?区分けして良かったと思っている。リズムが取れない人も何もかも一緒、平等て、そりゃ違うよね。そんじゃ出さないか?それもシニア演劇としちゃやっちゃいけないことだ。みんなが出る、苦手なこともちょっとやる、得意なことはどーんとやる、これでなくちゃね。
ダンスは上手く行ったが、芝居の方は失敗した。記憶力に自信ない人は1回の登場、これは良かった。でも、そんなあやふやメンバーを1シーンに集めてしまった。これは大きな誤算だった。他のシーンは、セリフもやり取りもスムーズで、演出もさらに高いレベルを目指してダメ出しできるのに、このシーンだけは、動いては止まり、止まっては顔を見合わせる、行き詰ってはまた元に戻る、さっぱり稽古が進まない。もう、時間ないから、ともかく終わりまで通して、って感じでやり過ごした。だれか一人でも記憶力のたしかな役者を入れておけば、巧みにアドリブで回してもらえるのに、そんな配置を考慮していなかった。
考えなかったよなぁ、出番とセリフ少なければ、なんとかやり遂げてもらえると思っていた。が、甘かった。まだまだシニアを見抜く目が足りなかった。次回以降へ大きな教訓だな。だからって、このまま本番迎えるわけにゃいかない。明日の通しは目をつぶるとして、そこから1週間、ギターっと絞めることにしよう。シニアに対しては珍しく、セリフ入れること、自分たちで稽古を積み上げることをきつーく、言い渡した。
と、こんな状態ではあるんだけど、確実に面白くなってきてもいる。残りの日々、一気にレベルアップ、皆さんご満足いただける舞台に仕上げますから、どうか、どうか、お忘れなく!菜の花プラザシニア団『クロスロード』公演7月31日(日)午後2時開演だから。