Netflix『離婚しようよ』、
ワクワクで見たさ。
脚本が宮藤官九郎様と大石静様、ははぁぁぁ、お仕事見させていただきますです、はぁ!
ちゃかしてなんかいませんて、心底尊敬するお二人なんだ。官九郎様は、木更津キャッアイでベタ惚れ、静姐御は二兎社時代からの片思い。
憧れの的かつ、台本書きのお師匠様であらせられるのさ。
で、『離婚しようよ』うーん、さすがの出来だなぁ、思いもかけぬセリフの数々、意表を突く展開、粒立ちきらりのキャラたち。
毎回、笑いと唸りの1時間を過ごさせてもらっておりやんした。
が、6回目あたりかな?
なんか、世襲議員をヨイショしてんじゃね?って不信感、むらっと。
世襲の良さを見直す?それ、今言うこと?
だって、岸田のバカ息子翔太郎が官邸で宴会やっと追ン出されたばっかだぞ。岸の息子信千代君(きみ)だって、散々批判浴びながらやっとこさ当選して、心ある人たちには世襲議員への怨念が渦巻いている今だぜ。
まっ、撮影してた頃は、ドラマに真っ向風当りなんて思わなかったんだろう。
でもなぁ、仮に、バカ息子たちの不評が広がる前であったとしてだ。
日本の政治の停滞、その原因の一つが世界に稀なる世襲議員王国にあるってことは、もはや常識以前の共通認識だろ。
いやいや、地域に密着してるのよ、世襲の先生方は、って描いちゃいるが、お相手はジジババオバちゃんたち。
おいおい、違うぜ、世襲のお殿様が密着すんのは、地方議員の先生方や後援会を牛耳る地元財界、土建屋とかな、なんだ。選挙の手足だって、この金縁関係の方々なんだ。その構造を一切すっぼらかして、ジイチャンバアチャンに愛される2代目、ったく、現実をフェイクするんじゃねえよ。
しかも、何だってぇ?革新派の対立候補は中央からの落下傘候補で、地域のことは一切無視、選挙期間中もほとんど選挙区での活動は奥さん任せ、しかも、しかも、策士でついには誘致企業から賄賂せしめるってどんだけ嫌な奴なのよ!ここまで恣意的にキャラ作るってえと、もはや世襲保守政治のプロパガンダ映画だよな。
現実を見ろ!!
保守政治家が雁字搦めに固める地方で、毎回毎回、苦しい思いしながら、金権政治、利益誘導政治とは違うもう一つの地方の有り方、民主政治の本来、平和の未来を提案しちゃふっ飛ばされ続けてる全国各地の革新派の活動家たち。
このドラマにこういう人たちの苦悩なんてさっぱり登場しないし、匂わせてさえいないだろうが。
対立候補は憎まれ役でかつギャグのネタ!?ついには犯罪者。でも、それじゃあんまり悪意が過ぎるってんで、議員辞職後、夫婦仲良く移動のパン屋さん!って、他人様適当に引きずり回すの止めてくれ。
主役は地元名士のお坊ちゃまと、ご当地ドラマのアイドル女優!うわぁ、もう、自民党の選挙戦の図式そのものじゃん。
候補者の公開討論会シーンじゃ思わずモニターに向かって、ふざけんな!ってヤジ飛ばしたな。改革派候補が、ジェンダーギャップの問題を取り上げた時のことさ。その問題提起の仕方も、上から目線でどうだ田舎者め、って、うわぁ、こいつ嫌な奴!感が湧き上がるの狙ってるもの、演出。
世襲坊ちゃま、断固応援の雰囲気設えてもらって、地域の人たちからそんな声は聞こえて来ないって返したんだ。しかもこの返答が聴衆から大喝采。あったりめえじゃねえか!田舎の人たちの多くが家父長的でジェンダーなんて知ったこっちゃないてのはさ。
だから、気づいた人たち、傷ついた女性たちが苦しんでなんとかしようとしてるんだろが。ああもう大っぴらに、現状追随どころか追認しちゃまずいだろう、お師匠さん方。
田舎の選挙、大フィーバーだから、昔からたくさん物語作られてきてんだ。今さら同じようなものつくるなって。もし作るんなら、昨今の日本社会、日本政治をおちょくって笑い取ったり、将来につながる視点とか出してくれよ。
いっくらエンタメだからって、旧態然の世襲礼賛はないぜ!
テーマは不倫と不倫に振り回される周囲と当人たち、ってたしかに今時日本の恥ずかしながらの現状だけど、そんなもん、面白おかしく、時にほろりと描いたところで、所詮は週刊誌の後追いじゃめえか。
韓国(『クイーンメーカー』)だって、
台湾(『選挙の人々』)だって、
選挙ネタのドラマ、いいもの作ってるぜ。もっと痛烈に社会を批判してるし、命がけの選挙戦が描かれているんだ。
なのに、日本の一流どころが、
「不倫に落ちて地盤固まる!?」シャッター商店街を「愛媛音頭?」で練り歩き、って、これでいいのか?
って、マジに怒り狂ってる俺って、無粋な奴なのか?
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