これまで50本、いや、コントも含めりゃ100本近い台本を書いて来た。
その中で、2本だけ、上演に行きつけなかった不幸な作品があるんだ。
菜の花座でも、高校演劇部のためにでもなく、別の上演主体のために書き下ろしたもの。そりゃ今でも残念さ、機会があれば、なんてムラムラと来ることも、ないか、今さらだもの。縁がなかったってことで。
そのうちの1本は、肉親よる性暴力の話しだった。15年以上も前、さすがに、題材が突き抜けてるって思われたのかな?父親が娘を犯すシーンから始まるなんて。
長らく抱え続けた精神的被害からの仲間たちに包まれながらトラウマから抜け出していく癒しを書きたかった。
初稿では実の親からの暴力として書いたが、さすがにそれは稀かもしれないと思い直して、義父からと手直しした。が、
時代の方が、あっという間に台本の虚構世界を飛び越えて、ずんずん進んで行っちまってるよな。
幼児の頃から性的いたづらを繰り返していた、とか、娘二人に強制性交したとか、幼い娘を銭湯に連れて行って客たちに触らせていた、とか、どれも実父・・・もう、せめて妄想の範囲にとどめてくれよ!って凶行が、矢次早に報じられている。
肉親間以上に目に飛び込んで来る性暴力の数々。
芸能人の不祥事、ジャーニー喜多川、松本人志に続いて中居正広も?だって!
政治家だって汚さじゃ負けてないぜ。カラオケボックスで中学生相手にことに及んだ元国会議員、無理やり自身及び3人の男に強姦させて500万円の示談金支払って、性加害はなかったと市長の椅子に居座る市長、いずれも維新だし。
まさかの教育者、校長はじめ同罪多数!
ついには検事の親玉検事正が、部下の女性検事を手籠めにして、一旦は事実を認めながら、前言翻して無罪主張。ここまでくれば、
医学生たちだって、寄ってたかっての性交強要だって、同意あったって言い張るさ。しかも、その男たちの証言を信じて、無罪を言い渡した裁判官!まで。
もう、ツイッターXを開くのがうんざりするぜ。
今、わっと事件が発生して来たってことじゃないと思う。きっと、昔かあらゆる性的理不尽が広がっていたのさ。ただ、男たちの家父長的支配があまりに強固で、告発はもちろん、口答えどころか、不満の眼差しさえ許されなかったってことなんじゃないか。
男たちは、地位や、金や、世間の目などを総動員して、女たちを虐げ続けてきているんだと思う。
社会のあらゆる場面で、男支配が続く限り、女たちの被害は続くに違いない。ただ、いくらかの慰めは、こういう勇気ある告発、訴えが表に出され、厳しい環境の中でも、彼女たちの言葉が見知られるようになってきたことだ。そして、それに共感し、寄り添い、支援する人々が少しずつ出てきていることだ。
激しい抗議の行動も見られるようになった。
だが、油断はできない。
男たちは必ずしも、変わっちゃいないから。いや、それどころか、開き直る奴らだって少なくない。それは若者でさえ同じことだ。
これまでの優越的地位を脅かされる男たち。反発、反撃も激しさ、これからかえって広がって行くんじゃないかな。
意識を変える、社会のあり方を変化させる、その必要性を男も女も自分のものにするしかないんだろうぜ。
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