最初の通しが、1時間40分。次が1時間20分。そして、昨日のゲネが1時間7分。うーん、着実に記録は短縮されているなぁ。で、ついに今日の通しは55分30秒!ついに、やりました、記録達成!って違うだろ。ようやく時間オーバー失格の恐怖から脱したってことだ。
削りに削ったね。ばっさばっさと台本から血が噴き出すほどに切り取った。痛ましい!もごさい!やるせない!ギャグというギャグはほぼ抹殺。重要な部分でも、意味が通じる最低限のせりふに削り上げた。いやぁ、こんなスリムになれるもんなんだねぇ。もうはぎ取るだけはぎ取って、下着一枚って感じだ。まっ、厚着してないから体のラインはくっきり見えるけどね、暖かみって言うか、ふくらみって言うか、ゆとりって言うか、要するにすかっすかって感じだね。でも、まずは良かった。どんなに良い作品だろうと、61分の時間を超えれば審査外なんだから。部員たちのこれほどまでに掛けた時間とエネルギーを門前払いでムダにしたくはなかった。
いや、ほんと掛かってるから!エネルギー!!
装置と衣装だけだったら、絶対負けないって自信ある。昨日はフレンドリープラザでまるまる1日使ってリハーサルだったけど、まず見た目はとっても素晴らしものに仕上がった。紗幕も効果的だし、パネルもなかなかのできばえだ。今は言えないが、仕掛けもスムーズに動いた。これきっと、おおーっと驚きを引き起こすに違いない。照明の方は、・・・・これはねぇ、なんせ大会仕様だからねぇ、基本仕込みが決まってるから好き勝手はまるで効かない。なんとか、それらしく誤魔化したけど、全然納得いかない。なによりパンチを敷けないのが痛い。床の照り返しで、当てたくないとこまでてかてかと光ってしまって、もう、がっかりだ。東根工業が自前でパンチ準備している気持ちがよーーーくわかった。
で、演技の方はどうなの?置農の部員たち、舞台なれしてるから、そこそこにうまい。まずはものになっている。でも、なんか物足りない。伝わってくるものがない。ファンタジーっていう形式のせいも大きい。登場人物が劇画的なこともある。でも一番の問題は、せりふを削りに削ってしまっているってこと。ほとんど骨格だけになった台本だから、たった一言二言のせりふに心を込めなくちゃならない。これがとても難しい。でも、これを超えなくちゃ芝居としては成立しないってことだ。
本番4日前、敢えて厳しい言葉をぶつけた。せりふに心を込めろ!一人一人の人生を吹き込め!それにはまず、役になりきること。劇的な役所をしっかりと感じ生ききること。ある者は、すべてを受け入れるおおらかな包容力を。ある者には人生の屈辱の瞬間を。ある者には屈辱をバネに悪にのめり込む狂気を。ある者には徐々に開かれて行くのびやかな心を。ある者には過去の過ちを大切に生きるせつなさを。
なんとねえ、1時間の芝居にこんなにも人生が詰め込まれているだ。ね、お買い得だよ。見て損は絶対ないよ。本番は19日(土)16:00~17:00、米沢市民文化会館だ。