ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

ついに60分を切る!

2009-09-15 23:04:58 | 教育

 最初の通しが、1時間40分。次が1時間20分。そして、昨日のゲネが1時間7分。うーん、着実に記録は短縮されているなぁ。で、ついに今日の通しは55分30秒!ついに、やりました、記録達成!って違うだろ。ようやく時間オーバー失格の恐怖から脱したってことだ。

 削りに削ったね。ばっさばっさと台本から血が噴き出すほどに切り取った。痛ましい!もごさい!やるせない!ギャグというギャグはほぼ抹殺。重要な部分でも、意味が通じる最低限のせりふに削り上げた。いやぁ、こんなスリムになれるもんなんだねぇ。もうはぎ取るだけはぎ取って、下着一枚って感じだ。まっ、厚着してないから体のラインはくっきり見えるけどね、暖かみって言うか、ふくらみって言うか、ゆとりって言うか、要するにすかっすかって感じだね。でも、まずは良かった。どんなに良い作品だろうと、61分の時間を超えれば審査外なんだから。部員たちのこれほどまでに掛けた時間とエネルギーを門前払いでムダにしたくはなかった。

 いや、ほんと掛かってるから!エネルギー!!

 装置と衣装だけだったら、絶対負けないって自信ある。昨日はフレンドリープラザでまるまる1日使ってリハーサルだったけど、まず見た目はとっても素晴らしものに仕上がった。紗幕も効果的だし、パネルもなかなかのできばえだ。今は言えないが、仕掛けもスムーズに動いた。これきっと、おおーっと驚きを引き起こすに違いない。照明の方は、・・・・これはねぇ、なんせ大会仕様だからねぇ、基本仕込みが決まってるから好き勝手はまるで効かない。なんとか、それらしく誤魔化したけど、全然納得いかない。なによりパンチを敷けないのが痛い。床の照り返しで、当てたくないとこまでてかてかと光ってしまって、もう、がっかりだ。東根工業が自前でパンチ準備している気持ちがよーーーくわかった。

 で、演技の方はどうなの?置農の部員たち、舞台なれしてるから、そこそこにうまい。まずはものになっている。でも、なんか物足りない。伝わってくるものがない。ファンタジーっていう形式のせいも大きい。登場人物が劇画的なこともある。でも一番の問題は、せりふを削りに削ってしまっているってこと。ほとんど骨格だけになった台本だから、たった一言二言のせりふに心を込めなくちゃならない。これがとても難しい。でも、これを超えなくちゃ芝居としては成立しないってことだ。

 本番4日前、敢えて厳しい言葉をぶつけた。せりふに心を込めろ!一人一人の人生を吹き込め!それにはまず、役になりきること。劇的な役所をしっかりと感じ生ききること。ある者は、すべてを受け入れるおおらかな包容力を。ある者には人生の屈辱の瞬間を。ある者には屈辱をバネに悪にのめり込む狂気を。ある者には徐々に開かれて行くのびやかな心を。ある者には過去の過ちを大切に生きるせつなさを。

 なんとねえ、1時間の芝居にこんなにも人生が詰め込まれているだ。ね、お買い得だよ。見て損は絶対ないよ。本番は19日(土)16:00~17:00、米沢市民文化会館だ。

 

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よおやく、通し?

2009-09-12 20:23:30 | 演劇

 大会一週間前にして、やっと通しまでたどり着いた。いえいえ、本当はまだ通し終えていない。5時からスタートして、部活終了時刻の6時で、いったん中断。どこまで終わったかって言うと、三分の二?!要するに全部やったら1時間半かかるってことだ。ええーっ!本当かい?そんな長いのかい?

 まあ、2時間半の芝居をぎゅーっと圧縮したリメイク版だから、ある程度は覚悟してたけど、ここまでとはね!!ちょっと、て言うか、かなりって言うか、遊びすぎたみたい。笑いを意識してあっちゃこっちやギャグやらくすぐり入れたからね、これが水ぶくれの原因かな?あーあ、せっかく書いたのに削るっきゃないな。残念!この寄り道部分を消し去ると、後は骨組みだけみたいになってしまう。これでいいのか?なんとも口惜しい!

 でも、骨格だけになっても、シナプスのつなぎ合わせになっても、物語そのものは面白いから、そこで十分勝負できるけどね。あと、キャラクターも魅力的になってる。劇画的って言えばそれはそうなんだけど。今回は、て言うかいつもののことだけど、物語のおもしろさ、作り物の楽しさを目指している。シリアスドラマからすれば、嘘八百ってことだけど、そういう虚構の世界で遊ぶってこと大切だって思うんだ。こんなのリアリティない!なんて言わないで、ゆったりくつろいで、漫画読む気で見てもらいたい。

 部員たちもここ数日ぎりぎりとしごかれて、ぐんぐんと役を、せりふを自分のものにしつつある。そう、今日なんか久しぶりに机をぶっ叩いてしまったもの。もちろん、衣装も装置も一級品だ。ここまで苦労してきたんだ、なんとしても成功させなくっちゃね。

 てことで、今から30分分台本削りに精を出す。あーあ、身を削る思いだね。

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『Zenmai』

2009-09-09 21:44:41 | 演劇

 菜の花座第21回公演は春口洋:作『Zenmai』。スタートしたよ。菜の花座にふさわしい作品か?って、ちょっと悩んだとこあったけど、まっいいでしょ、こういう元気な突拍子もない作品も。

 昨夜は初稽古ってことで、みんなで読んでみたけど、若い奴らげらげらと楽しんで読んでいた。そりゃそうだ。ヤクザは出る、カポネは出る、ベンハーは出る、ドラゴンボールは出る、星の王子様は出るって超豪華版だもの、嬉しがらないわけがない。しかも、テーマは少年と少女の大人への旅立ちとそのためらいなんだから、若い連中はすんなり入れるよな。ネットで調べてみたら高校演劇部での上演が多かった。それも、んだんだと納得するところだね。

 ただ、問題は、人数不足をどう補うかってことと、うちのベテラン連にどうかかわってもらうかってことだ。人手については、米沢の劇団ぬーぼーの若手連中に声をかけた。まずまず色よい返事もらえたのかな?そりゃそうさ、この芝居って彼ら向きだもの。ヤクザとマフィアの対決なんて、絶対好きだよ彼らは。

 うちのベテランさんたちには、はて、どうしたものか?元気ふるって若い奴らと立ち回りでもやってくれるといいと思ってんだけどね。他所の劇団と一緒に公演、これは久しぶり。お互いにいい緊張感持って芝居作りできると思う。

 後は、やたらいろんなものが出てくるんで、小道具、大道具や舞台の作り方が問題だな。押し入れあけたら一面カップラーメンとかさ、大量のポケットティッシュが空に舞い上がるとか、テーブルの下でヤクザの死闘、上は家庭のお茶の間とか、どうすんじゃ、これ?って設定が、どうだできるか、てめえら!って勢いで飛び出してくる。これをどうさばくか?ここが、演出の腕の見せ所ってことかな。今のとこ、よっしゃ!受けて立とうじゃねえの!って気構えでいるけど、さて、どうなるかな?

 って、ことで、始まった。始まっちゃったんだよ。もう、走るきゃない。ゴールのテープを切るまで走り続けるっきゃない。こんな疾走が、命のばしてくれているんだか?命縮めてくれてんだか?

 公演日は12月13日(日)です。多分、2時くらいからの開演です。

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衣装で勝負:地区大会

2009-09-06 20:54:40 | 教育

 今年の大会作品は『きき耳族の少女』、10年近く前、菜の花座に書いた作品の再演だ。そうね、今はやりのリメイクってやつ。話の大筋は変わらないけど、王様が王女様になったり、新しく王女を慕う青年貴族が現れたり、盲目のナイフ投げ師なんていうかっこいい役柄が生まれたり、けっこう違う雰囲気になってると思う。特に、コミカルなシーンが増えたこと、緊張感あるやりとりが作れたことなんかは、置農生だからの進化って言えるかもしれない。まっ、歌では、初演に敵わないので、大切な歌の場面は詩の朗読でごまかすことにした。ここは、たしかに弱点だろうな。でも、なんせ人数いるから、町の大道芸シーンなんかは圧倒的な迫力に仕上がるはず。

 さて、初演時と比較して間違いなくレベルアップしているのは、衣装と装置だ。中でも衣装!これは凄いですよ。もう、これだけだって見てほしいって思うくらいだ。なので、今回も我慢できず、画像で紹介してしまう。

Rimg0455

全員集合だ。どうですか、これだけのもの作ったんだから。なになに、小さくてわからない?それじゃあ、中心人物、おっと人形のアイボと森の老婆の衣装を特別サービスしてしまおう。

Rimg0439

Rimg0442

まだまだ作るよ。今日、衣装合わせしてみて、マントとか帽子とか足りないものたくさん出てきたんでね。こんな豪勢な衣装が出来るようになったのも、縫い物得意な部員がいたことと、その子に引きずられて、衣装担当班の技量が向上したからなんだ。もちろん、部としてのレベルアップも間違いない。こういうところに、伝統ってもんがじわじわと厚みを増して行くってことなんだろう。こうなっと、ミシンだって買って上げよって気になるわけなんだな。演劇部所有のミシンはただ今4台!!専属のお針子さんは6人。完全に縫製工場だね。

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せりふは大声で

2009-09-05 10:21:42 | 演劇

 夜9時までの特別練習週間が終わった。最終日の昨夜は、一年生も全員残して集団演技を一気に仕上げた。町のお祭りシーンだ。その他大勢のガヤが入ると俄然、生き生きとした場面が立ち上がってきた。なんせ、20人近くが動き回るんだから、これは迫力だ。多勢の強みだね。これでどうやらこうやらすべてのシーンで動きはついた。後は、それを自分のものにするだけだ。って言ってもこれが難しいけど。

 今回の難敵は、声の細い者の指導だった。決して悪い声ではないのたが、いかんせん声に力がない。マイクで拾えばきっといい味わいなんだろうけど、芝居じゃそうはいかない。しっかりと客席の最後部まで届く声で演じてもらわなくちゃならない。

 多くの場合、こういう子たちは腹からしっかり声が出ていないことが多い。自分なりに腹式呼吸をして、しっかり腹で支えて声を出しているつもりでも、十分息を吸っていなかったり、吸った息の5割、6割程度しか使えていなかったりする場合が多い。もともと声が細いから、それが自分の精一杯だと信じ込んでしまってるんだ。さらに、表情豊かにせりふを操ろうとすると、これがますます小さくなってくる。

 そんな場合、僕のやり方は、100パーセントの声で怒鳴ってみろ!ってことだ。感情を込めるなんてどうでもいい。まず大声で怒鳴る。せりふの最初の音から最後の音まで、抑揚なんて気にせず同じ大きさで怒鳴り続ける。まず、そうやって、自分の声の可能性を確認する。これ、当人が驚くくらいに声が出るようになるんだ。そのときの注意は、呼吸。しっかりと吸ってしっかりと支えてそれをはき出す。屈んだ姿勢でのせりふでも、ここはまず、しっかりと背筋を伸ばして発声させる。

 こうやって出した声は、ただ大きいばかりじゃない。力がみなぎってくるんだ。声の力。しっかりと相手に届く言葉の力。だから、小さな声で感情込めてちまちまやっていた時よりはるかに説得力のある表現になっていたりする。生半可な感情表現なんかより数段効果的なことが多い。いいよ、もうそれだけで。余計なことするな!ってことだってある。

 今回は二人の部員がこの特訓で大きく変わった。大きな声が出るようになって、自分にも自信が持てたみたいだ。となると、表現も大きく変わってくる。不思議なものだ。それまでいくらダメ出ししても、僕がやって見せても、感じ取れなかった部分がすんなりと入っていくようなんだ。ずっと役柄にそったせりふが言えるようになってきた。もちろん、これからだけど。

 人前で発言できるようになって、自分自身が見えてくるように、しっかりとした声を出すことが、自分の内面を見つめ、自分を変えていくことにつながるのかもしれない。

 

 

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