自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

情報と心(2)

2021年12月27日 | 健康のための心の波動

昨日の続き                     2021/12/27

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さてここに一人の運命論者がいる。

彼はここまで読んできて考える。

”祈ったにせよ、浄化できるかどうかは運命がもう決まっている

のだから、努力してもそうならないときはそうならないのだ。”と。

運命?

そう、それがもう神の意思だよ~と彼は思う。

 

神の意思という概念が一番強い宗教の一つに、イスラム教がある。

運命論者が言うように、すべてのことは、神の意思が伴わなければ

実現しないという。

ところが、それでも、自由な決定権は神は与えている、つまり、

運命も変わる可能性があるということをイスラム教の聖者が

言っているのでご紹介したい。

 

イスラム教の一派、スーフィー教徒のメヴラーナ(*1)という聖者。

彼は、信仰心が如何に深くても、神の意思であるのなら、

定められた運命は覆(くつがえ)す事ができないと、確かに言っている。

同時に矛盾しているが、神は自由意志として、どの道を私達が

選ぶかの自由を与えたとする。

その理由はこうだ。

もし、アダムの時代から自由意志が与えられていなかったとしたら、

アダムとイブが楽園の禁じられた果実を食べ、罪意識を

持つことはなかっただろうから

 

“私達は、自らを裏切ってしまいました”といって、神の前

に悔悛の涙をアダブが流したとき、禁断のリンゴを口にする

誘惑を、撥ね退けられなかったアダムの心情は、彼の自由意志

から生まれたものだったとメヴラーナは言う。

 

確かに、がんじがらめに神が彼の心にまで蹂躙して、

自らの意思に従わせようと手足を縛ったのなら、むしろ、

こうした罪意識を抱く行為はしないですんだのかもしれない。

恥じる事、困惑すること、後悔すること、など、そうした、

感情は神が定めた道で起きるはずはない

 

メヴラーナは言う。

“自由意志は呵責(かしゃく)の念として映し出される。 

もしも自由意志が無いというのならつきまとう、恥の感情を

どう説明するのか?

この悲しみ、罪の意識、困惑、羞恥をどう説明するのか?”(以上)

 

さらにユーモアに富んだ例も挙げている;

“泥棒が判事に向かって訴える。

’判事様、私はただ、神の定められたとおりにしたまでのことでして。。’

判事もまた泥棒にこう応える。

‘私もまた、神の定めるままにすべきことをしているに過ぎない’“

(以上引用)

 

泥棒も判事もここで”神の意思のまま”という言葉を使って

自分の行為を正当化する。

もし、そこに自由意志がないとしたらだ。

しかし、神は自分の原型に基づいて人を創り出したと聖書にはあり、

一神教であるイスラム教も同様に考える。

ならば、神に自由意思があるのだから、人間にも同様に自由意思

が与えられているはずだ。

 

最終的にメヴラーナの考える自由意志と神の定命との関係は

だから次のように言えるだろう。

”人間は地上において神の代理を務める力を与えられた。

多くの知識と智恵を与えられ唯一生物の中で神を賛美する

ことができる能力を持つ。

人間は選択する力、自由意志でそれを行使する事が

赦されている。

この特権を持つ以上、責任も負わされる。”(以上)

 

つまり、自分で撒いた種は自分で刈り取るという因果の法則が

それである。

神に責任を負わして、自らは怠惰に、停滞を赦すことは

自由意志を有意義に使っている事にはならない。

するだけのことをして、最後には神の手に任せるという

選択は、日本語でいう、”人事を尽くして天命を待つ“

という態度にも匹敵するのだろう。

そして情報を選ぶこと、過去に撰んだ情報を修正すること、

潜在意識に積もった古い役にたたない、

負の想念を捨てきる事、浄化して新たな今を生きようと

希望を持つこと、誰にでもある困難や悲しみを

自由意思を持って、カルマの清算と受け入れること、

などの選択は私たちは思い立った今に取ることが

可能なのだと思う。

 

その時、不条理的な運命をも自由意思で受け入れ消化

する強さを持つことに依って、その人なりの生き方と

真の信仰(何教というのではなく)が、生まれて来るのだと思う。

 

 

 

(#1)777年没。

本来は、バルブの子だったが、

悔悛し地位を得て修行の道に入ったと

される伝説的なスーフィー

(イスラム教の一派)の聖者

 

コメント
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