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今日の記事は、8月9日からのシリーズの続き
で8月13日に、一旦、ひっこめたものです。
池身酉次郎博士は自著に こう書いている。(*1)
”九大医学部全国で, 最初の心身医学の研究所(現在の心療
内科)が発足して以来、私どもがただ一筋に求めてきたもの
は、人間の心と体の結びつきを追求することによって、
心身一如の健康と、幸福を実現するための医学的方法を
見つけ出すことだった。”と。
心と体の結びつきに着眼した博士は、すでに日本より先を
越しているこの分野での先進国の自律的療法などを紹介
している。
たとえば、ドイツのシュルツ博士の創案である、標準練習
は、基本的に暗示法の学習だ。
これは、6段階の暗示のステップからなる。
この目的で、頭部、心臓部、消化器系等などの自律的促進。
第一段階の暗示)
① できるだけ、静かで、明るすぎない落ち着ける場所を
選び、仰向けに横になる(布団など敷いてよい)
② 目を閉じて“気分が落ち着く”と心でゆっくりと、反復
する。
③ 気分が落ちついたら、次に、“右腕が重たい”と暗示を
かける。
次第に、右腕が次第に、重くなってくる様を、感じてくる。
④ 次に同様に“左腕が重たい”と暗示をかける。
⑤ 両腕が終わったら、同様にして右脚、左脚に暗示をかけて
重くなる様を感じる。
⑥ 時間は5分ぐらいで、朝昼晩と行う。
池見博士によると、こうして、両足両腕が重くなるように
感じられるまでには、3週間ぐらいの時間がかかるとしている。
第二段階の暗示)
① 第一段階の暗示の要領で ’重たさ’の代わりに次の言葉
で暗示をかける。
それは、“これからどんどん温かくなる”という言葉だ。
順番は、第一工程と同様に、右腕、左腕、右脚、左脚 の
順序で行う。
第三段階の暗示)
① これまでの暗示を一通りかける。
( 但し、心臓に持病がある人や、血圧の高い人はこの
訓練は避けた方が良い場合もあるので、その場合は
要注意)
第四段階の暗示)
① これまでの暗示(重さと温かさの暗示)を一通りかけた
後、呼吸器系に対して暗示をかける。
つまり、“楽に呼吸している”という言葉を添える。
② その際、意識して呼吸の数や、仕方を変えようとしない。
( 但し、喘息、肺結核、呼吸器系の障害在る人は専門家と
相談して行う方が良い)
第五段階の暗示)
① “腹部が気持ち良い”〝胃のあたりが温かい“と、付け
加える。(但し、糖尿病、消化器系病気を持つ人は訓練の
最後に回した方が良い場合がある)。
第六段階の暗示)
① 最後に頭部への暗示である。
〝頭が涼しい“と付け加える。
(但し、てんかん、頭痛もち、の人で不快な症状が
起こった場合は、別の手段を専門家に相談する)。
この六段階の訓練をマスターするためには、早くて
2~3か月、通常6か月ぐらいかかると、池見博士は、
言う。