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聖ピオ十世会創立者マルセル・ルフェーブル大司教 近代主義の教会内への侵入史 (その8)

2008年05月15日 | ルフェーブル大司教の言葉
アヴェ・マリア!

近代主義の教会の中への侵入の略史 (その8)

マルセル・ルフェーブル大司教の講演の記録
「信仰を守りなさい。あなたたちの信仰を捨てるよりもむしろ殉教者となりなさい。」
1982年 モントリオール(カナダ)にて(つづき)

ローマへの共産主義の影響

 皆さんは、イエズス会士、レピディ(Lepidi)神父による『モスクワとヴァチカン』という書物を読むべきです。これは素晴らしい本です。この本は、共産主義者たちがローマにおいて持っている影響力、そして彼らが司教たちの任命、そして二人の枢機卿さえも:レカイ(Lekai)枢機卿とトマセック(Tomaseck)枢機卿の任命さえも、どのようさせたかということを示しています。

 レカイ枢機卿はミンゼンティ(Mindszenty)枢機卿の後継者であり、トマセック枢機卿はベラン(Beran)枢機卿の後継者でした。ミンゼンティ枢機卿とベラン枢機卿は二人共、信仰の英雄そして殉教者でした。

 ミンゼンティ枢機卿とベラン枢機卿の代わりに、パックスの司祭たちを任命したのです。つまり、何よりもまず共産主義政府と同調することを求め、伝統的な司祭たちを迫害することを決心したパックスの司祭たちによって取って代わられたのです。

 密かに洗礼を授けるために田舎に行き、秘密に公教要理をするなど、カトリック教会の司牧の業を続けようとした司祭たちを、これらの新しい司教たちは告発するのです。

 司教たちは彼らにこう言うのです。「あなたたちは共産主義政府の規則を遵守しない権利を持っていない。あなたたちは、法律に反して行動することによって、私たちに害を与えている。」

 しかしこれらの司祭たちは、子どもたちの信仰を守るように、家族における信仰を守るように、そして秘蹟を必要としていた人々に秘蹟を授けるように、自分の生命を捧げる用意ができていました。
 明らかにこれらの国々においては、もし聖体の秘蹟を病院へ運ぶ、あるいは何であれ何かをしたいと思ったならば、常に許可を求めなければなりませんでした。彼らが香部屋を出るやいなや、これらの司祭たちは、共産党に、あれこれのことをする許可を求める義務を負わされていました。こんなことは不可能なことです。人々は秘蹟を授からずに死んでいくのです。子どもたちはもはやキリスト教的なやり方では教育されませんでした。

 ですから司祭たちはもちろん、これらのことを秘密裏にするのです。もし彼らが逮捕されるとすると、司教たち自身が彼らを迫害したからです。それは恐るべきことです。

 ウィシンスキー(Wyszynski)枢機卿もスリピ(Slipyi)枢機卿もミンゼンティ枢機卿もベラン枢機卿もこのようなことはしませんでした。彼らはその反対に彼らに次のように言いながら善い司祭たちを励ましていました。

「どうぞ、やりなさい。さあ、がんばってやりなさい。もしあなたたちが投獄されるなら、あなたたちは司祭としての義務を果たしたことになるのです。もしあなたたちが殉教しなければならないならば、殉教者となりなさい。」

 このことは彼ら共産主義者たちがどのように大きな影響力をローマに対して持っていたかを示しています。私たちがそのことを想像するのは非常に困難です。私たちはそのことを信じることさえできません。

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