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聖ピオ十世会 創立者 ルフェーブル大司教の伝記 20.5.2.見せびらかさない禁欲主義者

2013年04月19日 | ルフェーブル大司教の伝記
見せびらかさない禁欲主義者

  それでは、あのダカールの大司教が有していた克己と慎み深い禁欲主義に対するブュッサール神父の賞賛を思い出してもらいたい。あるいはベルテ神父による、ローマにおけるこの模範的神学生に対する評価を想起してもらいたい。

 大司教は、エコンの廊下を素早く静かな歩調で、その眼差しを少し下に向けて歩いていた。講義室では、椅子の背もたれに寄りかかることなく、両足は揃え、合わせた両手をテーブル上に置いて、視線下向きに姿勢を伸ばして座っていた。彼の立ち居振る舞いは、堅苦しいものではなく、平和を放出する自然な天性の純真さにより特徴付けられていた。

 やって来る訪問者たちを微笑によって彼が迎えた執務の部屋は、神学校教授たちの部屋と何一つ違いはなかった。教授たちと同じ合板の本棚に、本がきちんと並べられていた。教授たちとの唯一の違いは、本の数が非常に少量で、しかもその本は慎ましい製本しかなされておらず、あるものは紙表紙のままであり、離脱を象徴していた。大司教は、聖トマス・アクイナスの神学大全、教皇の回勅などの教導権文献、辞書一冊、世界地図一冊、そして英語自習用の本L’anglais sans peine 【らくらく英語】 を手元の本棚に置いていた。別の本棚には、法律並びに神学関係の著作が、反革命及び反自由主義の著書と並んで見受けられた。

 はめ込み式の戸棚には、第2バチカン公会議の概要と公文書や、ラベル付きのフォルダーにきちんと分類された大司教の記録文書が並んでいた。その中には、神学校や修練院時代の書類や、アフリカ、チュール、ローマ、公会議の書類、さらに講演や黙想会の要点が収められていた。未来の新米歴史家らの好奇心を満足させるには十分な資料がそこにはあるのだ!

「私の死後、彼らは必要なもの全てを見出すでしょう」と彼はアンドレ・カニョンや他の親友たちに明かしていた。

  この窮屈な部屋には、せいぜい(彼が良く見上げていた)象牙の十字架像 と、サレジオの聖フランシスコが描かれた平凡な油絵の御影が、童貞マリアのイコンがあって部屋を僅かに活気づけているだけだった。

  隣り合った寝室は、率直に言って禁欲を感じさせた。固いマットレス付きの狭いベッドは、むき出しで装飾のない壁寄りに配置されていた。この壁には、無原罪の御宿りの普通の御影が掛かっていて、世を去った友人の大事な写真数枚が差し込まれていた。さらには飾り気のない十字架がその上から留めてあっただけである。

 それは、つまり、忠実な修道者とベテラン宣教師とが持つスパルタ式の厳格な清貧だった。アフリカにおいて、さらに世界中で彼が頂いた贈り物や記念品の全ては、自分の友人や家族、あるいは神学校の香部屋なり図書室なりに譲渡した。【イタリア、カンパニア州カゼルタ県の‐訳者】カゼルタでは、前教皇大使であり友人のヴィト・ロベルティ大司教が、アフリカで受けた幾つかの財宝を所有していた。しかしルフェーブル大司教はこう言った。
「本当です、沢山の物をもらっていましたが、私はもらった物をみな配ってしまいました。持っていても何の役にも立ちませんよ。私たちは天国へ何一つ持って行かないのですから!」

  彼は何も蓄えなかった。さらに、持っている本のどれ一つにも、自分の名前を書かなかった。ことは全く質素、単純だ。彼は何も所有しなかったのだ。

  修道者的であり司祭的な離脱は、彼の身につける服装にもはっきり表れていた。常に完璧に磨かれた靴が証明する通り、念入りな清潔さが保たれていた。

  大司教は、自分の息子らに同じ質素さを奨励した。
「スータンは、顔以外の一切を露出させず身体を隠してくれます。償いと慎みと、世俗からの離脱とを示す、この修道服が世俗の精神に感化されないようにしましょう。」

  ルフェーブル大司教は、さらにまた祭壇での自己放棄を実践し、自分の司祭たちにそれを要求した。

「御ミサの典礼様式は、細部に亘って完璧でなければなりません。ですから御ミサをだいたいおおよそ捧げれば良いという問題ではありません!個人的な自由な発想に余地を一切与えない事はとても重要なのです。御ミサとは、何よりも先ず公共の行為であって、個人的な信心業ではありません。【御ミサを捧げる為の‐訳者】然るべき動作をするやり方を司祭は自由に選べません。不注意であってもならず、ひけらかしであってもなりません。その両方を避けるべきです。」


--このブログを聖マリアの汚れなき御心に捧げます--

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