2020年12月25日(金)主の御降誕の大祝日(日中のミサ)
聖ピオ十世会司祭 トマス小野田神父説教
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。
愛する兄妹姉妹の皆さん、今日、私たちの主イエズス・キリストの御降誕のお慶びを申し上げます。
今日お生まれになった御方は、ただの普通の赤ちゃんではありませんでした。この全宇宙の創造主、初めのない、終わりのない、愛であるもの。全ての所有者、王の王、栄光の天主。天群の天使たちも、その御前では震えおののく、絶対の主権者。その御方が、永遠の昔から、私たちに御自分の天主の命を与える為に、自分の幸せを与えるが為に、幼き子供となって、今日、お生まれになりました。
もちろん天主の御摂理によって全てを支配しておられる御方は、大きなお屋敷に、御殿にお生まれになる事もできましたけれども、しかしイエズス・キリストは馬小屋の中で、人々から捨てられて、そして極度の貧しさの貧困の内に、旅の途中で、お生まれになる事を望まれました。しかしそれと同時に、預言を全て成就してお生まれになりました。
一体なぜ?
これはただ一つ、私たちにどれほど、「御自分の持っている私たちに対する愛を、お見せしたい」と思ったからです。
私たちに命を与える為に、御自分は死を。
私たちに喜びを与える為に、自分は苦しみを。
私たちに安らかさと平安を与える為に、御自分は苦悩を、そして貧困を受ける事を、良しとされました。
何という交換だったでしょうか!私たちに天主の命を与える為に、人間の命と人間の死すべきその運命を受けたのですから。
愛する兄弟の皆さん、どうぞこの一つの事を知って下さい。兄弟の皆さんも、私も、「永遠の昔から、全能の天主によって愛されている」という事です。
そして「私たちはここに、この今こうやっているのは、天主の御元に、永遠の命を、幸せを受ける為に今、生きている」という事です。
そして「この永遠の愛の計画の中に、皆さんも、私も、今、生きている」という事です。
たとえローマ皇帝の勅令の為に移動した、としても、そして一見人々の冷たい心から宿も無かったけれども、しかし全ては、天主の御計画の内にありました。
ですから愛する兄弟の皆さん、もしも辛い事や、あるいは何か嫌な事が起こったとしても、どうぞ絶望なさらないで下さい。
私たちには無限に期待を、希望をする理由があります。なぜかというと、イエズス・キリストが私たちを愛しておられるからです。全ては、主の御摂理の御手の中にあるという事を知って下さい。愛の手の中にある、という事をご存知になって下さい。
最後に、マリア様にお祈り致しましょう。私たちにイエズス様をお与え下さいますように、私たちにイエズス様を下さるのは、マリア様です。
またヨゼフ様にも参りましょう。ヨゼフ様が聖家族を、イエズス様とマリア様を守って下さったように、私たちをも守って下さいますように。
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。