<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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大学を卒業して以来、私は30日から大晦日にかけて大学時代の友人達とその友人宅で「夜通し忘年会」を楽しむことを恒例としている。
鍋を囲んで、想いで話に花を咲かすのだ。
その会場はもう二十年近く京都市内で行なっているのだが、今日のような天候は初めてなのであった。

何が初めてであったかというと、雪のために危うく自動車で大阪に帰れなくなるところだった。

天気予報で、
「大晦日にかけて近畿地方は強風が吹き荒れ、平野部でも雪をみるかも知れません」
というニュースが数日前から流れていたことは私も注意していた。
しかし、この季節、雪が降って大阪や京都に雪が積もるなんてことはほとんどない。
まして今年は30日夕刻時点では風がやたらと強いだけで雪のかけらも降っていなかったのだ。
それが大晦日の午前、大変なことになってしまったのだった。

朝、京都市伏見区の友人宅で目が覚めた。
テーブルを挟んで同じ部屋で寝ていたDちゃんの鼾がうるさくて目が覚めたのではない。
トイレに行きたくて目を覚ましたのだ。
Dちゃんの鼾も原因の要素の一部ではある。

彼は昨夜、宴会途中で椅子に座ったまま居眠りを始めた。
そのまま放っておくと太った即身仏みたいで少々不気味なので、
「Dちゃん、寝た方がええで」
と声を掛けると、
「んんんん~~~~~~」と言いながらテーブルの横にゴロンとなり、鼾を立てはじめた。
例年なら、Y君が大きな鼾を立てはじめる時間なのであったが、今回は事情によりY君が欠席。
鼾の代打など要らないのだが、Y君の代わりにDちゃんが鼾をかきはじめたのだ。
それもかなり大きな音で鼾を立てはじめた。
自分の鼾で目が覚めないのが不思議なくらいだった。

で、目が覚めた私はごそごそと寝床を剥いだしトイレで用をたしたあと、窓のカーテンを開けると、道路の路面が濡れていた。
「雨かな?」
と思った。
携帯電話で時間を確かめると午前7:30分になっていた。
腹が減ったが、みんなは未だ寝ている様子なので、私ももういちどゴロリとすることにした。
その後、8時になって朝食をとりながら外を見ると雪がチラホラと降っていた。
京都の雪は風流で、観光地なら写真撮影にピッタリだ。
しかし私は忘年会の身の上。
観光地を訪れる時間も余裕もない。

余裕はないが、せっかくなのでその友人宅でWiiをプレイしているうちに時間を失念してしまったのだった。

やがて昼が近づき外を見ると、そこは白銀の世界に変わっていたのであった。
乗ってきた私の車の屋根に5センチ以上も雪が積もり、道路の色も白く変わっていたのだった。

「あ、今年の忘年会は北海道.......」

とは思わなかった。
思わなかったが、それほど周りは真っ白になっていたのだった。

「高速道路、ダイジョブか?」

と心配になってネットでjarticの渋滞情報を確認すると、通行止めにはなっていないようだった。
そこで安心してランチを食べに出かけたのだが、これが凄い。
すでに住宅街の路地は雪で真っ白。
自転車では走れない状態だ。
レストランについてそこへ滞在している30分ほどの間に、幹線道路の路面まで真っ白になってきたしまったのだった。

粉雪舞う京都。

これが東山だとか祇園だとか、嵐山なら風情があるのだが。
観光写真に出かけられない私は非常に残念に感じていたのであった。

で、ノンビリランチを食べている気分を吹っ飛び、できるだけ早く帰らねば電車で帰るのか、雪が止んで溶けるまで待つかしなければならない。
と危機感を感じ、すぐさま自分の自動車に飛び乗って一路、大阪を目指したのであった。

幸いにできたばかりの阪神高速京都線は私が乗った時点では通行止めになっていなかった。
しかし、高速道路に入ってすぐのインフォメーションボードには「京都線全線通行止め」の文字。
どうやら私はギリギリのタイミングで高速道路に飛び乗ることができたようなのであった。



2010大晦日。
久々に忙しない大晦日になった、迷惑な豪雪なのであった。

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