<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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先日、新幹線の列車運行システムに異常が発生して3時間以上東北上越新幹線と、それに繋がる各ミニ新幹線が不通になった。
その事故の原因は運行システムCOSMOSへの過剰なダイヤの入力だったのだという。
こんなことが発生したら、必ず出てくるのは.....

「新幹線の海外ビジネスは大丈夫か?」

とあいも変わらず悲観論大好きなメディアという名の不思議な人達。
新幹線が売れなくなったら嬉しいのか、この人達は、と思いたくなるのだが、一部のメディアは大陸国家のスポークスマンみたいなところもあるので、さもありなん、というところか。

以前マサチューセッツ工科大学の鉄道模型クラブのことをリポートしたノンフィクションを読んだことがある。
その本によると自動制御で何が難しいかというと、鉄道模型の自動制御ほどむつかしい物ははなく、それだけにMITでの鉄道模型クラブの権威はひときわ高いのだという。

世界最高峰の工科大学MIT。
ホンマかいな、と疑いたくなる内容だった。

でも実際鉄道模型をダイヤ通りに自動で運行させようとするとかなり複雑だ。

中学生の時にメルクリンという鉄道模型をダイヤ通りに走らせる試みをしたことがるのだが、なんといっても子供のおもちゃ。自動制御どころか一本のレールの上に2本の列車を走らせるのにもテクニックが必要だった。

鉄道はひとつのレールを区間ごとに分けて制御するのだが、それは鉄道模型とて同じ。
区間ごとの電流を制御して列車を走らせたり、止めたりする。
メルクリンの線路でも一周数メートルの楕円の線路を6区間ぐらいに区切って組み立てた。
パワーボックス、つまり運転コントローラーがひとつしかなかったので各区間はオンオフだけの制御で作った。

2列車はそれぞれ性能の異なる機関車だったので同じ電圧でも走るスピードが異なる。
これが大変。
放っておくと、片方の列車の制御区間に別の列車が追いついて制御不能に陥る。
放っておくと脱線、転覆、と本物の事故そのままに大切な模型にキズがついてしまうのだ。

そんなこんなで模型のダイヤ運行はゲームよりも難しく、やがてめんどくさくなってそんなアホな遊びはやめてしまったが「制御」というものを体で経験するいい機会になったことは間違いない、

さて、新幹線。

新幹線といえば、とかくスピード重視で早いほうがいいように思われがちだが、運行体制が最も重要。
新幹線よりもフランスのTGVの方が走るのははいけど、輸送力は半分以下。
一本の電車の消費電力は新幹線の倍。
第一、ラッシュアワーでも一時間に上下4本程度の運行なんだという。

一方新幹線はラッシュアワーは上下合わせて最大32本。

時速300km近くで走る列車をこんなに走らす技術は日本にしかない。
地下鉄でも、これほど走っている路線は少ないのだから。

マスメディアも自国の技術をけなしてばかりではなく、ちょっとは褒めたりサポートしてはいかがか。





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