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大阪市交通局が二ヶ月に一回発行しているフリーマガジン「ノッテオリテ」。
その最新号の記事によると、この3月に大阪市営地下鉄全駅でエレベータの設置を達成するそうな。
どういうことかというと、どの駅でもエレベータを使ってホームから地上まで移動できるバリアフリーを完成する、ということ。

エライ!

赤字バス事業でも高給取り。
あんなにお客が乗っているのに黒字なのは御堂筋線だけ。
民営化をかたくなに拒否。
などなど、日頃は褒められることの少ない大阪の地下鉄と市バス。
でも、今回のエレベータの件だけは素直に褒めてあげたくなってしまう。

地下鉄に限らず駅にエスカレータやエレベータがないと高齢者でも身障者でもない私でも大変困惑することがある。
それは荷物を大量に抱えている時や、過労でフラフラ、とりわけ真夏の昇り降りは大変だ。

タイのバンコクに高架鉄道BTSが走り始めた頃、物珍しさと便利さが相まって、バンコク滞在中は引っ切り無しに利用した。
もちろん、今も利用する。
なんといっても交通渋滞がないのでバスより早いし快適だ。
冷房はガンガンに効いているし、清潔だし。
料金の高いことに目をつぶれば乗っている間は日本で電車を利用しているのとまったく変わらなかった。

問題は駅の改札への昇り降り。

BTSはビルの高さでいえば5階以上の高いところを走っていて、改札口はホームの下階中間のフロアに設置されている。
この改札口からホームへはエスカレータが設置されているのだが、地上から改札口へ上がるのにエスカレータはもちろんエレベータなどが設置されていないところが多く、体力が要って大変だった。
改札口も高さが3階~4階のところにあり、そこまで長い階段をテクテク歩いてふうふう息をあげながら上がらなければならなかったのだ。



ただでさえ長い階段。
そこへ毎日の最高気温が30度を突破する熱帯のバンコク。
汗びしょびしょでヘロヘロになったのは言うまでもない。
さらに、そのびしょびしょの汗の染み込んだシャツを着たままガンガンに冷房の効いている電車に乗ることになるので、シャツが「ピチャ」っと肌に張り付いてひんやりする瞬間が気持ち悪かった。

大阪の夏はそんなバンコクも顔負けの酷暑だが、そんなときに重い荷物を持って階段を昇り降りするのは酷だった。
でもその厳しさがついに解消するときがやってきたといわけだ。

「年取ったら郊外でのんびり暮らしたい」

と言う人も多いそうだが、実際は都心部に住んだほうが交通の便はいいし、買い物先も至近距離。
ただ駅の階段や歩道だけが障害物。
そういう意味では大阪市内はいち早く高齢者の住みよい体制ができあがったと言えるかも知れない。

駅にエレベータもエスカレータも少なく、通路の途中にも平気で段差があちこちある東京都営地下鉄と東京メトロは大阪市営交通局の爪の垢でも煎じて飲むように。
夏の東京出張が大変だ。

但し、親方日の丸的な赤字体質は真似んでよろしい。




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