京都&神楽坂 美味彩花
京都と神楽坂を行ったり来たり、風景などを綴っています。
 




毎年恒例の春の京都非公開文化財特別公開、今回は天皇陛下御在位奉祝として
門跡寺院など皇室ゆかりの寺院が中心に公開されました(4月26日~5月6日)

京都市内19ヶ所のうち西陣の尼門跡寺院4ヶ所を回ってきました。
慈受院以外は撮影禁止なので門前までしか撮れませんでしたが
初めて入るお寺もあり寺宝の説明なども聞けて見応えありでした。

堀川寺之内交差点東側角にある慈受院門跡は室町幕府4代将軍足利義持の正室の栄子が
皇室の菩提を弔うために創建したのが始まりとされてるお寺
源氏物語ゆかりの薄雲御所ともいわれています。

こぢんまりとしたお寺ながらも狩野探信の見事な花鳥図屏風や
豊臣秀頼が産湯を浸かったという漆塗りの道具などが展示されていました。
 
 
樹齢800年といわれる御神木の楠が中心となる本堂前庭園



慈受院のお隣、宝鏡寺門跡(旧百々御所)は皇女和宮が幼少のときに過ごした場所で人形寺としても有名なお寺。
写真を撮れないのが残念ですが本堂前には見事な鶴亀庭があります。

孝明さんと呼ばれる孝明天皇が愛した京人形をはじめ皇室関連の人形や調度品などの展示
本堂には日野富子座像なども安置されています。


宝鏡寺の次に向かったのが常盤御所とも言われる光照寺門跡
門を入った正面の常盤会館は昭和天皇が即位した時の御大典の建物で
継ぎの無い真っ赤な絨毯や菊の御紋がデザインされた照明など当時の物が残されています。
 
釈迦如来を安置する本堂の格天井には優雅な花が描かれ尼寺らしい。
南北朝時代の持明院殿跡にもなっています。


光照寺からも程近い三時知恩寺、崇光天皇の入江殿を賜ったことから入江御所とも呼ばれています。
宮中での六時勤行(時間を決められた6回の読経)のうち
早朝・日中・日没の三時(みとき)を当寺で行うよう勅命を受けたことからお寺の名前が付いたようです。
  
一の間の源氏絵扇面図襖や三の間の円山応挙筆襖絵が見所。
今回は4ヶ所徒歩で回りましたが移動が暑かった~
とはいうもののどちらのお寺も良かったです。



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )





京狩野の絵師、狩野山楽と山雪の代表作「竹虎図」と「梅に遊ぶ禽図」が方丈を飾る妙心寺塔頭寺院「天球院」さん
金地に鮮やかな色彩の障壁画は高精密の複製ですが創建当時の絢爛豪華さがうかがえます。

庭園以外は撮影禁止なので殆ど撮ることはできませんが金碧の障壁画はとにかく見応えあり
竹虎も良いですが梅に雉の遊禽図が優美~天球院さん限定の御朱印帳やファイルにもなっています。
西の間の水墨画は一部桃山時代当時のものが残されています。
 

玄関横の蝋梅が満開で良い香が漂っていました。
 
妙心寺境内では今回は3つの塔頭寺院が特別公開されていますがこのエリアだけでも充実感がありでした。
京の冬の旅スタンプラリーは3ヶ所周りスタンプを集めるとお茶の接待や記念品が貰えます。
今年の記念品ファイルは智積院の堂本印象筆「婦女喫茶図」(京都駅総合観光案内書で交換可)



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )





妙心寺の南門から入ると直ぐ右手にある塔頭寺院「龍泉庵」さん、妙心寺四派の1つ龍泉派の本庵で
塔頭の中で最大規模を誇る方丈を持っています。

開祖500年遠忌に合わせて描かれた由里本出氏作の100面におよぶ障壁画が見応えのある特別公開
上は仏教が西から東へ伝来する様子を表したという越前海岸「種々東漸図」

門を入ると左手に庫裏

山茶花が咲いています。
 
 

長谷川等伯の「古木猿候図」や狩野探幽「観音龍虎図」、昇竜図などは撮影禁止ですが
障壁画は自由に撮影できます撮影禁止が多い中嬉しいです。

白砂と松、杉苔だけでのシンプルな方丈庭園

方丈の杉戸絵
 

沙羅双樹(夏椿)が描かれた樹下寂静の間、白い花と緑が印象的な美しい障壁画。


菩提樹が描かれた黎明開悟の間



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




 
今年も3月18日まで非公開文化財特別公開「京の冬の旅」が開催されています。
テーマは”京都にみる日本の絵画~近世から現代~”ということで
長谷川等伯や狩野山楽など、若冲から現代の画家まで障壁画などの寺宝が特別公開されています。
 
徳川三代将軍家光が春日局の冥福を祈るために創建した妙心寺の塔頭寺院「麟祥院」
方丈の襖絵が見所で、海北友松の子、友雪が描いた雲龍図が見事
江戸時代初期の傑作にも数えられている雌雄一対の迫力ある水墨画です。

境内には桃山時代に作られた御霊屋(おたまや)とよばれる建物があり
小堀遠州作と伝わる春日局坐像が安置されています。

寺のあちこちで見られる寺紋「隅きり角に三紋」は春日局の嫁ぎ先稲葉家の家紋
 

冬の旅は8年ぶりの公開ということで入ってみたかった寺院の1つでしたが
春日局が家光から賜った百椿図屏風」も印象的でした。



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )





もみじの紅葉はまだまだですがほんのり色付いている木や桜葉の黄葉など秋らしい雰囲気に・・・

法堂横の桜葉と三門横のもみじ

あと一月も経つと紅葉も進んできますね。



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )





あっという間に2月も終わりですね。 「京の冬の旅」3ヶ所目に訪れたのは相国寺塔頭寺院「林光院」さん
門から見える大きな庭石が印象的で以前から気になっていたお寺です。

冬の旅では初公開で襖絵の虎図は今年のパンフレット表紙にもなっています。
(スタンプラリーで3ヶ所以上回るともらえるオリジナルファイル
薩摩・島津家とのゆかりが深く、墓地には蛤御門の変や
鳥羽伏見の戦いで活躍した薩摩藩士が合葬されています。

お寺らしからぬ建物は滋賀県にあった江戸後期の藩邸を移築したもの
見所は内部の龍虎、蓮、松、牡丹などの水墨画で
一見、猫のように見える大きな虎の襖絵は特にインパクト大!
よく見るとチラリと片目を開けているところが面白い。

こちらは建物内部に入ると庭なども撮影禁止なので
撮ることはできませんが書院南庭の「鶯宿梅」が有名です。



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )





相国寺の塔頭寺院「豊光院」も普段は門が閉ざされ中を伺うことはできませんが
非公開文化財特別公開「京の冬の旅」で初公開されています。
本堂の床に注がれる優しい冬の日差し・・・
 
豊臣秀吉の追善供養のために創建され、一時衰退しましたが明治期になり再興
鎌倉時代に作られ近年修復された釈迦如来を本尊としてお祀りしています。

方丈南側に広がる庭園。寺宝は足利義稙の肖像画や山岡鉄舟の書など

門から本堂入口まで梅の花が咲いています。



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )





1月から始まっている非公開文化財特別公開「京の冬の旅」、普段公開されない寺院などが特別公開されています。
妙心寺塔頭寺院「東海庵」もその1つで、趣の異なる3つの庭が見所です。
書院南側の庭は直線状に並ぶ大小7つの石と中央の石を軸にした波紋が広がる印象的な枯山水庭園。
 
 
一面に白砂が広がる方丈南庭園は木や石などを一切置かない枯山水庭園で「白露地の庭」と呼ばれ
静まり返ったような清浄感に溢れた庭です。庭園端には棗(なつめ)形の手水鉢が1つ置かれています。

書院西庭「東海一連の庭」は方丈前庭とは対照的で松と3つの築山を備えた緑豊かなな庭園

春日形六角燈籠や橋柱の手水鉢、自然石の一文字手水鉢
麒麟の飾り瓦など見所が多く詰まった庭です。
 
 

煙窓が設けられた屋根や門など各所に設けられた飾り瓦の獅子も
1つ1つに違う趣があり見つけるのも楽しい。
 

広大な敷地の中に多くの塔頭寺院が並ぶ妙心寺、東海庵は南門から入り法堂右隣のお寺です。

時代劇ロケなどにもよく使われる境内は電柱がないのも

玉鳳院開山堂の唐門辺りも時代劇に出てきそうな趣



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )





今年もあっという間に立春です。気温は低いですが晴れて穏やかな陽気。

清水寺は50年に一度の大修復が進んでいて
本堂や西門などは工事幕がかかっています(拝観は可)

仁王門前の一対の狛犬は阿吽ならぬ両方が口を開けた形の「阿阿の狛犬」で
清水寺の七不思議の1つにも数えられています。
戦後作られたこの狛犬は比較的新しいもので
普通は阿吽の阿は森羅万象の始まりを表し、吽は終わりを意味しますが
両方阿ということは全てがはじまりという意味が込められているのかも?
(お釈迦様の教えを世にしらしめるという説もあり)
 
清水寺境内にある2軒の茶屋「舌切茶屋」と「忠僕茶屋」
両方共、幕末のできごとに由来しています。

忠僕茶屋は幕末の成就院住職・月照が尊皇攘夷運動をおこし西郷隆盛と薩摩に逃げたのち
入水自殺をとげた後も墓守を続けた大槻重助の忠義がみとめられ茶屋の営業を許された店。
舌切茶屋は月照を守り、安政の大獄で捕えられた近藤正慎が獄中で舌を噛み切り自害した
その妻子が境内で茶屋の営業を許されるようになったそうです。



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )





今年は戌年ということで鳴滝の妙見さんとして親しまれている「三宝寺」というお寺が注目を浴びています。
洛陽十二支妙見のひとつで戌の妙見、北辰妙見大菩薩をまつる妙見堂があり戌年の守護神としても信仰の篤い所です。

妙見堂までの階段を上る途中に十二支方位盤の台座の上に
母犬と子犬たちをのせた石像があり「子宝犬」とよばれています。
子宝や安産祈願などに訪れる人やお子さん連れの人も多く訪れていました。
 

開運厄除け・方除け・寿福の神としても親しまれ願い事が叶うことから
「満願妙見宮」ともいわれているそうです。かわいい形の子宝犬おみくじも人気
 

高低差のある境内には鐘楼や千本仏堂、三面大黒福寿尊天を祀る
大黒堂などが点在し、色々な要素が詰まっているお寺です。

本堂前では寒桜が咲いていました。
 



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



« 前ページ 次ページ »