9月も残り少なくなってきましたが昼間はまだまだ暑さを感じます。
今年は冷夏だったせいか「かき氷」を食べたという記憶が殆どなく
久しぶりに二年坂「かさぎ屋」さんへ・・・
清水寺の子安の塔へ向かう安産祈願の道とも言われる「三寧坂」
それに続く「二寧坂」は「二年坂」とも呼ばれていますが
由来は単に三年坂に連なる坂であった為という説や
坂が出来たのが大同2年(西暦807年)であった為という説など色々あるようです。
三年坂から二年坂に入った石段沿いの甘味処「かさぎ屋」さん
”甘党の素通出来ぬ二寧坂”(天眠)と書かれた駒札が立っていますが
これは与謝野晶子や鉄火の後継者であった小林政治(号=天眠)という人の句だとか・・・。
夏は「かき氷」などのメニューもありますが普段は「御膳しるこ」や「三色萩之餅」(三色おはぎ)等が人気
隣に住んでいた画家の竹久夢二が通ったということでも有名な店です。
大正3年(1914年)創業のお店は中に入ると昔の風情をそのままに残し
古い天井には千枚札が貼られ、壁には竹久夢路の水墨画も飾られています。
(写真では分かりにくいですが一番左の額に入った絵)
テーブルに着くと特注の清水焼で作られたオリジナル急須セットが出されます。
店の雰囲気とマッチしてなんとも良い感じ
さて、この時期になり慌てて注文したのがこちら!「しるこセーキ」
9月までの限定なのでとにかくこれを頂くしかないです
かさぎ屋さん独特のこの珍しい「しるこセーキ」は
フローズンの汁粉に白玉が入ったもので
初代の考案で創業当時からあったそうですがどうやって凍らせていたのでしょう???
随分とハイカラ(?)なものであったに違いありません。
滑らかな舌触りの汁粉に白玉が良いアクセントで癖になる美味しさ。
人気の「御膳しるこ」は善哉が主流の関西では漉し餡の汁粉は珍しかったそうで
関東から嫁いだ先代の女将さんが京都で初めてお品書きに”おしるこ”を記したとも言われています。
因みに汁粉と善哉は関西と関東で少し違ってくるようで
関西では関東で言う粒餡の入った田舎汁粉や小倉汁粉は”善哉”と呼び
こし餡でできた御膳汁粉のみを”汁粉”とよぶようです。
東京などでは汁の少ない餡に近いものが善哉とよばれる事が多いようですね。
今の時期は白い暖簾がかかっていますが
やがて看板メニューの「御膳志る古」の暖簾に代わると思います。