ASEAN共同体
2016年1月5日(火)
「ASEAN」。東南アジア諸国連合のことは、率直に言って良く知りません。
昨年末12月31日に、ASEAN共同体が発足しました。「アジア・太平洋全体の平和、安定、安全のために協力する『開かれた共同体』をめざす」とされています。
戦争放棄を明記した東南アジア友好協力条約(TAC)などの原則を堅持し、東アジアの平和と安定に「中心的役割」を果たすと強調しています。東アジア首脳会議(EAS)に参加する18か国(ASEAN10か国と日米中ロなど)が、TACと同様の「法的拘束力のある文書」を結ぶことを探求すると宣言しています。
共同体は、平和を保障する①「政治・安保共同体」、繁栄をめざす②「経済的共同体」、一人ひとりが豊かに発展できる③「社会・文化的共同体」の3本からなっています。
この地域では、中国の南沙諸島における覇権的動きが大きな問題ですが、これに関しては、「中国に対しては、平和的手段、武力の不使用、国連海洋条約の順守による紛争解決を求め、南シナ海行動宣言(DOC)の履行と法的拘束力を持つ南シナ海行動規範(COC)の調印を促す」としています。もちろん、前近代的国家の中国が素直に応じる訳はありませんが、このように中国を国際的に包囲していくことが必要と思います。
EUが軋みを見せています。文化、宗教、歴史、政治体制等が違う国同士が共同体を運営することは非常に困難な面があります。しかし、長い歴史の中では、国という枠を超えて地球全体で共同体を目指すことになると思いますので、このASEAN共同体の動向に要注目と思います。
域内人口6億2000万人(世界の約9%)、GDPは約2.5兆ドル(世界の約3%)ということですので、これからの伸びしろは大きいと思います。
弱小国連合のような気がしますし、確かにそうかもしれません。でも、これからの世界は「国」という単位より「一人ひとり」が重視されることになると思います。