自然エネルギーの本流化
2016年3月12日(土)
政府は、原発の「新規制基準」を「世界一厳しい」と言っています。しかし、「原発が世界一安全」だとは言いません。私しゃ、ここにトリックというか陰謀があるような気がします。
余談ですが、規制委員会の田中俊一委員長は、新基準を「世界一」ではなく、「世界最高レヴェルに近づいている」という表現をしています。(2016年3月10日、朝日新聞)この人らしい予防線のはりかたです。
原発そのものが危険な訳ですから、その規制基準が世界一だろうが、危険なことには変わりありません。ましていわんや、日本の原発にはコアキャッター(過酷事故の際にも溶けた燃料が格納容器を突き破らないように受け止める設備。フランスのアレバ社の新型原子炉にあります。)がなく、いわば古くてより危険なものです。そして、日本の「新」基準はこの「古い」原発に適合するように作られた基準です。
例えて言うなら、車の排出ガスを測定する仕方の基準が「世界一」厳しいから、古い旧式の車で排出ガスが最新の車より多いのに、「大丈夫だ」と言っているようなものです。私しゃ、「陰謀」の中身は、「新安全神話」というものじゃなかろうか、と思う訳であります。
ところで、私は全く疎かったのですが、最近の自然エネルギーへの転換スピードは凄まじいものがあります。
2016年3月10日、朝日新聞
世界での風力発電は、昨年1年間だけで原発64基!分が新たに生まれたということです。太陽光は同59基分! これ、危険な原発いらないじゃん、と誰しも思うでしょう。
これを書いたのは、環境エネルギー政策研究所所の飯田哲也所長です。飯田氏は、日本における原発再稼働の流れの原因を、「思考停止」と言っています。私しゃ、それもあるかも知れませんが、利権構造が大きいような気がしています。原子力ムラにいたという飯田氏には、ぜひ利権構造を語って欲しいものです。