日本原水爆被害者団体協議会がノーベル賞を受賞しました。私は、“被団協”というより、日本における原水爆禁止運動が受賞したと受け止めています。この運動の到達点は、「憎しみや復讐という気持ちを乗り越え、全世界の誰にもこの被爆者の苦しみを再び繰り返してはならない」という理念の基、核兵器禁止条約にたどり着ことだと思うのです。
ただ、受賞は遅きに失したと思います。2009年には、「核なき世界」を訴えたオバマ大統領(当時)、2017年には核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)に平和賞が贈られています。私は、これらより遙かに日本における原水爆禁止運動の方が価値があると思っているからです。率直に言って、ノーベル財団は能天気ですワ。オバマは、核なき世界と言いながら、実際には核兵器の近代化を進めたのです。それが分った時点でノーベル賞を取り消すベキでしょう。
ノーベル財団以上に脳天気なのは、岸田前首相であります。朝日新聞の報道によると、「心からお慶び申し上げます」とコメントしたとあります。はぁ!被団協は核兵器禁止条約を自民党政権に求めてきました。それに背を向けるどころか敵対してきたのが、自民党政権です。「お慶び申す」なんて立場じゃないでしょう。口先だけの嘘っぱちとしか考えられません。
私にとっては個人的に感慨があります。高校生の時原水爆禁止の署名活動をしていました。当時は、高校側が高校生は政治的活動をしてはならないと言って、我々の活動を弾圧したのです。仲間の女子生徒が尋問を受け、その余りの過酷さに失神するという事件まで起きました。今、そのような高校は考えられません。むしろ、活発に活動する高校は社会的に賞賛されるような状況と思います。歴史は回転しているというのが、今の私の感慨です。
“核禁条約 反対の自民 ゴミ箱ポイ”(人生時計川柳:2024年10月12日 喜寿抜作)
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