水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

10月3日

2010年10月03日 | 日々のあれこれ
 10月に入り二つの宴席と今日の技術講習会。心地よい忙しさを感じる秋の日々である。
 一昨夜は東日本大会に出場する先生の祝勝会に新越谷にでかけた。
 長時間はいられなかったが、ときおり気のおけない先生たちと語らうことは、貴重なエネルギー補給になる。S先生ありがとうございました。いい店でしたね。
 昨夜はわが吹奏楽部保護者のみなさまとの懇親会。
 お言葉にあまえて数曲歌わせていただいたうえに、森のきつつきさんまで踊っていただいたうえに、たくさんのあたたかいお言葉をいただく。支えてくださるお気持ちにこたえるためにも、ご子息をかっちり鍛えさせていただきたいとの力が少しわいてきた(少しかよ!)。
 今日は東邦音大での川越市技術講習会。楽器と部員を連れてさえいけば、あとは音大の先生や学生さんがよてったかってレッスンしてくださるという夢のような企画だ。
 おかげで、レッスン中は明日の予習をしたり、学食でコロッケカレーを食べたり、音大生のおねえさんをぼんやり眺めることができた(おやじか!)
 快癒された星野高校の先生ともお会いできてよかった。
 学校にもどり、お片付けをし、学年だよりを書き、業務終了である。


2学年だより№38「文系の学問」

 選択科目オリエンテーションのときに話した「身も蓋もない話」をおさらいしておきたい。
 まず「大学で学んだ内容を就職にいかせることはほとんどない」という話。
 とくに文系については、たかだか四年間学んだことを、就職してから仕事に生かそうなんて学生がいたら、かえって迷惑がられる。
 そのへんは就職活動に入ってみれば、すぐに気づくことだろう。
 「将来自分がやりたい職業決めて、それにつながる学部学科を探そう」と書いてある本が、どんだけ嘘っぽい話かは、みんなも大学3年、4年になればわかってくるし、それに気づけない人はきびしい就活をおくることになる。
 結論を言えば、「偏差値の高い大学に行けば行くほど、将来やりたいことをやれる可能性が高まる」というのが真実だ。
 毎年少しずつ改訂されて発行される『大学図鑑』という本がある。最新版(2011年版)には載ってないが、『大学図鑑2008』の「親のための受験用語辞典」というコーナーにこんな記述があった。

 ~ 《 学部・学科 》 中身に自信がないほど、名前が長くなったりハイカラになったり、わかりやすいウリを強調したりする傾向がある。医学部や看護学部はさておき、受験生が思っているほど「絶対にその学部・学科でなければならない理由」は、ほとんどない。少なくとも、「どうしても○○学部にいきたいから」という理由で、偏差値が極端に低いほうの大学や好みじゃないほうの大学を選ぶのは、悪いことは言わないから、やめたほうがいい。
(オバタカズユキ・石原壮一郎『大学図鑑2008』ダイヤモンド社) ~

 文系の学部を出た多くの大人たちは、実感として上のようなことを実は知っている。
 だいたい文系の学問というのは、究極の話、他人に習うものではない。
 大学で教えてもらうのは、また学ぶべきなのは、学び方であって、その中身自体はなんでもいいのだ。
 学び方を身につければ、もっと言うと学問とはいかなるものかを漠然とでもつかみさえすれば、どんな分野であっても、自分で学べる。
 自分の属する学部と表面的には全く異なる内容の勉強をすることも可能だ。
 だから、自分のやりたいことをピンポイントでしぼって、その名称のついた学部学科を探し、そこだけを目指すのは危険だと言える。
 自分のやりたいことを探しにはあまりこだわらず、アバウトに方向性を決めたら、とにかくがつがつ勉強しよう。それにつきる。
 一般的な受験雑誌に書いてある話とはちがうと思うかもしれないが、何が本当なのかを見抜けるようになるのも、文系の学問の目指すところである。


コメント (1)
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