学年だより「y=f(x)」
関数「y=f(x)」では、xの値を変えるとyの値が変わる。
xが原因で、yが結果だ。
自然界のすべてのものは、この原因と結果の関係で説明できるとする考え方を「機械論」という。
機械論は近代西洋哲学から生まれた考えだが、東洋においては、そのはるか昔にお釈迦さまが長い間の厳しい修行を経て、あるときこの式に気づいた。
人生って … 、「y=f(x)」なんじゃね?
そしてそれを「因果応報」という言葉で表現すると、それ以来二千数百年もの間、多くの人々の生きる指針となってきた。
xに良いものをいれると、yは良い結果になる。xに悪いものをいれると、yは悪い結果になる。
人生は、根本のところではシンプルな法則で成り立っている。
~ 奇跡とは、悪いものをインプットしておいて、あるいは、なにもしないで実りある結果を期待するようなものである。…
時間をかけてコツコツと精進すれば、大きな成果が得られる。思い出したようにあわてて努力すれば、そこそこの成果になる。努力を忘れた人は、もうしあわせを期待してはいけない。
極論すれば、このことさえわかっていれば、よい。人生、ジタバタする必要はどこにもないのである。 (成川豊彦『自分に勝つ法則』PHP出版) ~
この考えを信じてさえいれば、結果が出ないときはxが足りなかった、もしくはxの中身がよくなかったと思えばいいから、実にシンプルに反省できる。
ただし人は、自分が入れたx以上のyをつい求めてしまうものだ。
だから、時に結果が出ないことを自分以外に求めてしまったりもする。
それからもうひとつ大事なのは、人生は机上の計算とちがって、yの値が提示されるまでに時間がかかるということだ。
xになんらかの値を入れ続けていないといけない。そして結果をじっくり待たないといけない。
~ すぐによきy(結果)を求める人、言い換えれば、見通しなく目先のことばかりに気を取られている人は、よきxがゆっくりと活動をはじめるまで待っていられない。そして、がっついてせっついた挙句に、やらかしてしまうのだ。
後から悪いxを次々とインプットして … 台無しにしてしまう。
努力を積み重ねることは難しいが、積み上げたものを壊すのはいとも簡単なことなのだ。 ~
原因「x」が変われば、結果「y」が変わる。
あせらずに、じっくりと「よきx」を入れ続けることで、必ず実りある「y」を手にすることができる。