学年だより「家事」
東大進学クラスに入ることになった2人の生徒の母親を前にして、桜木健二(私立龍山高校理事)は親の心構えを語る。
~ 東大合格必勝法 家庭の10ヵ条
1 一緒に朝ご飯を食べること
2 何か一つでも家事をさせること
3 適度に運動させること
4 毎日同じ時間に風呂に入らせること
5 体調が悪いときは無理させず、休ませること
6 リビングはいつでも片付けておくこと
7 勉強に口出しをしないこと
8 夫婦仲を良くすること
9 月に一度家族で外食すること
10 この10ヵ条を父親と共有すること
(三田紀房『ドラゴン桜2』モーニング№49) ~
「この10ヵ条」を一年間確実に実行すれば、お子さんたちは必ず東大に合格できます」
だって。
東大を目指す諸君は、すぐに親御さんに伝えて、実践してもらおう。このまま冷蔵庫に貼ってもらってもいいのではないだろうか。
みなさんにはまだ二年あるから、余裕で受かると思う。
母親の一人が尋ねる。
「うちは男の子ですけど、家事をやらせるのですか?」
もちろんです、と桜木が答える。
朝食前に玄関を清掃する、帰宅したら風呂を洗う、といったことでいい、できることを何でもいいから毎日やらせることが大事なのだと。
それは、「日常生活を大切にする」ということを表す。
一年前の今頃、県立高校の入試に向けて相当ピリピリした空気感で毎日をすごしていた人がいるかもしれない。
親の立場からしても、子どもを受験勉強に専念させたいと願うあまり、子どもを特別扱いしてしまう場合がある。
家庭がそのような状況になったとき、家族全員が実はストレスを感じることになり、受験生自身にとっても悪影響がある場合がほとんどだという。
特別な日々ではない日常を、たんたんと積み上げていくことこそが、精神の安定を保ち、勉強の成果もをあげることになる。
アスリートたちがゲームで力を発揮できるのも、アーティストが非日常を生み出せるのも、その背後には、驚くほど地味でたんたんとした訓練や日常の積み重ねがあるからだ。