水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

ここではないどこかへ(2)

2020年11月05日 | 学年だよりなど
  3学年だより「ここではないどこかへ(2)」


 木村達哉(キムタツ)先生は、自分の高校時代のことも振り返りながら、以前こう述べていた。


~  … 英語や国語に関しては、英単語も古文単語もかなり正確に暗記していましたので、どんなに出題形式を変えられたとしても対応することができました。それを考えると、受験レベルの物理や化学などもきっと同じなんでしょうね。生徒たちには「基本を押さえたら後は数をこなそう」と言い続けているのですが、それこそがどの教科においても学問の王道なのではないかと思っています。                  (木村達哉「成績向上のための基本三原則」) ~


 今の、この時期だからこそ、どんな時も変わらない勉強の根本、すなわち「王道」を忘れないようにしよう。「基本を押さえ」「数をこなすこと」。どちらが欠けても成績は伸びない。
 思うように成績が伸びてない人は、どちらかに原因があるとも言える。
 基本があやしいままか、量が足りないか。たとえばいまだに単語が覚えられないと言う人もいるが、暗記する量が忘れる量を超えていないだけのことだ。
 「自分で考える力が大事、持てる知識をどう組み合わせられるかが試される」――
 新共通テストの目標だが、現時点での状況は、ほとんどの人が「知識」が足りない。
 考えるための材料が足りないし、表現するための言葉をもっていない。
 英語リスニングの重要性はわかっていると思うが、知らない単語は聞き取れない。
 一方で、必要以上に難しい問題に手を出して、歯が立たなくてあせっている例もある。
 実際の入試に、受験のプロみたいな人にしか解けない問題ばかりが出題されるわけではない。
 どちらかといえば、しかも難関大学になればなるほどよけいに、基本をどれくらい確実に身につけてきているかが問われる。基本とは「簡単」ということではなく「本質」ということだ。
 「応用」「難問」と言われる問題を解くために必要なのは、その問題の本質にせまる力である。
 表面的なテクニックではない。


~ 高3の生徒諸君は受験本番まで間がありませんが、
  ① 今こそ基本を大切にし、
  ② 誰よりもたくさん問題数をこなし、
  ③ 先を見据えて勉強をする、
 という姿勢でラストスパートに臨んでほしいなと願っています。 ~


 受験が旅であるなら、そこに勝ち負けは存在しない。
 「ここではないどこか」に飛び出してみたか、「ここ」にとどまっていたかがあるだけだ。
 「負け」に相当するものがあるとするなら、チャレンジしないことであろう。
 自分を虚心にみつめ、足りないことは足りないと認識することは大事なチャレンジだ。
コメント
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