水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

廣津留すみれ

2021年10月17日 | 学年だよりなど
1学年だより「廣津留すみれ」


 廣津留(ひろつる)すみれさんは、ハーバード大学とジュリアード音楽院をともに主席で卒業した。
 日本でいえば東大と芸大の両方で一番だったという感覚だが、世界中からエリートが集まるその規模はまったく異なる。幼い頃から英語とバイオリンを学び、国際コンクールの入賞経験がある廣津留さんを、天才少女と評する人も多いが、本人にその意識はないという。


~ 私は、自分を天才だとはまったく思っていません。むしろ、自然に囲まれた田舎で公立小学校から、公立中学、公立高校と通った「普通の日本人」なのです。
 天才とはきっと、「何もしなくても瞬時にすべて理解・習得・実践できてしまう人」のことだと思います。しかし、私は決してそんな超人ではありません。何もしないでここまで来ることは、とうてい不可能でした。 ~


 大分県立大分上野丘高等学校の2年の冬、同級生たちが東大、九州大といった難関校を目指して勉強するなか、もうひとつ目標を定められずにいた。
 頭にあるのは、バイオリンの国際コンクール入賞後に見学したハーバード大学の空気だった。
 受験は可能だろうか。母校からハーバードを受験した先輩はいない。先生も、「ごめん、わからない」という。自分で大学のホームページを調べてみると、日本にいながら普通に受験できることがわかった。
 ただし、一発勝負の日本の大学とは異なり、SAT(アメリカの大学進学適性試験)のスコアや課外活動の成果が求められ、エッセイとよばれる小論文2本を提出する必要がある。もちろん、すべて英語だ。猛勉強がはじまった。もともとすみれさんは、努力することは苦ではなかった。


~ たとえば、「必要のないことはしない」習慣。不得手なことに時間を割かず、したいこと、伸ばしたいことに集中するクセを、子どものころからつけてきました。
 集中といえば、いわゆる集中力を上げるのも得意なほうです。
「それこそ生来の才能ではないか」と言われそうですが、これも「必要のないことをしない」習慣があれば意外に簡単。「必要なこと・したいこと」に絞り込めば、集中力や熱意は出てくるものです。そしてもう一つ、私の最大の強みと言えるのが「淡々と頑張れること」。
 頑張る、努力するという言葉にはともすれば暗いイメージが伴いますが、これまた偏見です。 少しの工夫で、努力はごく普通にできることです。ときには楽しいものに変わることさえあります。
  (廣津留すみれ『ハーバード・ジュリアードを主席卒業した私の「超・独学術」』KADOKAWA)


 これは母親の育て方が大きいだろう。物心つくかつかないうちから、英語とバイオリンにふれさせていた。はやい段階で遺伝子をオンにしていたのだ。
コメント
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