水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

「ネットが崩す公私の境」の授業(5)

2021年10月18日 | 国語のお勉強(評論)
第四段落(15)


15 ニーチェの予言から一世紀。〈 結果 〉は、だれもが読者であり続けただけでなく、今後は、だれもが著者になる時代となるだろう。〈 だれもが公表できるという事態 〉は、いったい今度は何を腐敗させてしまうことになるのだろうか。


ニーチェの予言 
 近代 誰もが読者になる → 精神 … 腐敗
      ↓
 現代 誰もが著者になる
      ∥
    だれもが公表できる事態
      ↓
    何を腐敗させるだろうか


Q26「結果」とは何の結果か。簡潔に記せ。
A26 近代化が進んだ結果。

Q27「だれもが公表できるという事態」とあるが、筆者は何を危惧しているのか。
A27 人間の公と私の境が完全になくなってしまうこと。

Q28「ネットが崩す公私の境」とはどういうことか。
A28 インターネットの普及によって、現代社会においては、公と私との境界線が曖昧になってしまうということ。


前近代 限られた者しか読者になれない時代
 ↓ 活版印刷術の発明
近代  だれもが読者になれる時代 自我の成立
    限られた者しか著者になれない時代
 ↓ インターネットの普及
現代  だれもが著者になれる時代 自我境界のあいまい化
       ↓
    肥大化した自己が垂れ流しになる事態
コメント
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