折節の移り変わるこそ

季節の移ろいの中に、感じたままを一日一日。

アネモネ、風に春の色があるのなら。

2009年04月03日 22時11分20秒 | 春分
              □ アネモネ(Anemone coronaria)
                キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草
                春の風が、何度も行き交いながら、
                染め上げたようなこの色が好きです。

◇ この花も、昔は名前だけは知っていて、その実、何も知りませんでした。
  今でも、たとえば園芸品種のケシの花との区別がどうもつきません。
  子どもの頃から、星座に興味があって、ギリシア神話に思いを馳せました。
  ○○女神が△△を愛して、嫉んだ××が殺して、そこに咲いたのが…。

     
           □ 来週には「開花」となるでしょう。 

◇ だからアネモネも、ギリシア神話の世界から入っていったようなもの。
  絶世の女神(!?)アフロディーテが愛した美少年(!?)アドニス(Adonis)。
  何の弾みか、イノシシの角に突かれて、はかなくもあっけなく落命。
  アフロディーテの哀しみの血の涙、そこに咲いた花がアネモネ。

     
     □ こんな淡い色のアネモネも、趣があっていいものです。

◇ アネモネの学名は、ギリシア語のΆνεμος (anemos)「風」が語源です。
  英語も"Wind Flower"、十数年前に訪れた、ギリシアにもエーゲ海でも、
  そんな「赤い」風は吹いていませんでした。
  おそらくアネモネの「赤」が、「血」や「命」を表しているということと、
  「風の花」という名前とは「出典」が違うのかもしれません(勝手な想像です)。

     
    □ まだこれからの「アネモネ」バラやオダマキと寄せ植えです。
      この鉢では、濃いピンクの花も咲くのかもしれません。

◇ ラナンキュラスもそうですが、私はどちらかと言えば「パステルカラー」好み。
  アネモネの赤や紫が嫌いではないのですが、淡い変化に富む色の方が…。
  私は早春の風に色があるとしたら、冷たさの方が勝っているような、淡い色。
  春の暖かさは、風の筋となってほんのり刷り込まれているように思えます。

     

     
     □ タイトルのアネモネ、朝夕はそっと閉じて、優しげで清楚。
       ご存じの通り、花びらではなくて、萼片(がくへん)です。

       
       (una poesia di oggi)

          アネモネや手紙短く書き直す     岡本 眸

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする