都知事による”不要不急の外出を控えてほしい”とのお触れが出ている東京での週末。
東京が”都市封鎖”になったら、名古屋との二重生活を営む私も困るので、ぜひとも協力したいのだが、
困ったことに愛飲する酒とつまみがなくなった。
それを売っているのは、繁華街・池袋で、そこには山手線に乗っていく必要がある。
これが「不要不急の外出」に該当するかだが、私にとっては”必要”で、手元にないのだから”今日”ほしいのだ。
というわけで、土曜の午前中、意を決して、マスクをつけて(見た目のマナーのため)、外出を決行。
外に出ると、確かに通行人と車は少ない。
が、皆無というわけではなく、それなりにいる。
ランニングの人もいる。
山手線に乗ったら、シートの両端と中央に人がいる程度の密度(互いに1m以上の距離)。
しかもマスク着用率は95%。
おしゃべり・咳こみ率0%。
池袋に着いて、通りに出ると、人と車はまぁそれなりにある。
もちろん、いつもよりは少ないが。
西武デパートとビックカメラ、ヤマダ電機、それに ABCマートはやっていたが、東急ハンズは臨時閉店。
私はそこで U ターンし、富士そばでそばを食べて(客数はそれなり)、やまやで目的の品を買った。
ABCマート・東急ハンズのある通りは、いつもはぶつかりそうになるくらい歩行者が密集するのだが、すいすい歩けた(量販店には入らず)。
そもそも都知事のお触れは、外出そのものを否定するのではなく(最初はそう受け取られた)、密閉・密集・密接の”三密”を避けよの意だという。
なので、出歩く事自体を責める理由はなく、屋外の開放空間は感染リスクがない(いまだに出勤させられている平日の職場の方がよほど危険)。
”三密”とは、本来は、密教でいう”身密・口密・意密”の意で、手で印を結び、口で真言(マントラ)を唱え、意で本尊を観想する行のこと。
聞きなれない外来語を使いそうな都知事としては、いいネーミングである。
私は毎朝、仏前で真言を唱えているので、これからは真の”三密”の方を実行しよう。
結局、一人で行った池袋は、交通機関も含めて密閉・密集でなかったので、知事のいう三密には抵触しまい。
そして「密接」に関連するほどではないが、駅の地下街を歩いていたら、向こうからやって来る女性が、Suicaの入った定期入れを落とし、私の前を歩いていた男性がそれをためらいがちに拾って、女性に手渡した。
ホームに上って山手線に乗ろうとしたら、降りてきた少女が、ホームで財布を落とし、これまた私の前にいた若者が、それを指摘し、少女は自分で財布を拾った。
電車に乗り、車内を移動中に引き返した私に、座席にいたマスク姿の女性が身ぶりで訴えてきて、私が引き返した場所を指した。
振り返ると、上着と一緒に腕に抱えていた帽子が落ちていた。
思わず私も身ぶりで返した(きちんと口でお礼をいうべきだった)。
以上それぞれ、”密接”は回避しようとしている。
それにしても、こんな立て続けに落とし物を目撃・体験したことはない。
どうやらみなさん、今日という日は外出するに際し、どこか心が上ずっているようだ。
こういう時こそ、落とし物には気をつけよう。