日向灘の地震で、南海トラフの地震の危険性が高まり、 NHKの画面を見てわかる通り、多分ここ1週間は”警戒体制”を続けるだろう。
ただ、この1週間が無事に終わったら安心か、すなわち警戒を解除していいかというと、台風一過のようなわけにはいかず、危険性はその後も漸増し続ける(ただし天気予報並みの”その日に発生するか”という確率では1%以下のレベル※)。
※:地震はデータの蓄積がある降水現象と違って発生確率(=予測)の計算はほとんどできない(できたとしても数十年単位)。なので地震の確率の数値自体厳密に考える必要はない。
すなわち、今のようなお役所的やってます感を全面に出す必要はないが、警戒体制は維持し続けなくてはならない(経済活動を制限するほどではない)。
そもそもなぜ、南海トラフの地震の危険性が高いのか。
情報を整理してみよう。
元々は南海トラフの東端の”東海地震”(駿河湾震源)のみの危険性が言われていた。
なぜなら、前回の東海地震は幕末の1854年で、昭和の終わり頃には周期の100-150年に達していたから。
それに対し、東南海地震と南海地震は、終戦前後(1944,46)に発生したので、東海地震の危険性が言われ出した頃は、次の周期に時間があった。
ところが、本来ならすでに発生しておかしくない東海地震が、周期を過ぎても発生しない(2024年で170年目)。
それはいいことかというとむしろ逆で、東海地震の震源域のエネルギーがかつてないくらいに溜まっていることになる。
すなわち次に発生する東海地震は、今までの東海地震よりエネルギー(マグニチュード)が強いことが予想される。
そして、悪いことに、実は東海地震は、今まで単独で発生したことがなく、必ず東南海・南海地震と”連動”していた。
例えば1854年の東海地震は東南海地震と連動し、その32時間後に南海地震が起きた。
ということは、最も発生確率が高い東海地震が発生すると、周期のすでに半分を超えた東南海・南海地震をも連動させる可能性が出てきたのだ(100年周期とすると2040年以降に起きると予想)。
しかも、前回の東南海・南海地震は、エネルギーを出し切っていない規模だったので、2024年現在、周期以上にエネルギーが溜まっていると思われる。
とうことで、前々回の南海トラフ地震の宝永地震(1707年)以来の最悪の”3連動”地震(M9)になる可能性があるということだ。
ちなみに、宝永地震の後、トラフの延長上にある富士山が噴火し、巨大な宝永火口ができた(御殿場は死地となり、江戸に降灰があった)。
富士山も、これ以降噴火を休止している。
こういう日本最大級の大変動がやってきそうだということ。