南海トラフ地震のリスクが増した、と報道された途端、店から水や備蓄品が売り切れたそうだ。
こういうパニック的行動って、株価が暴落した時のパニック売りと同じ、素人的な馬鹿げた行動。
私は防災の授業で、以下の防災行動の優先順を質問している。
a.水・食糧の備蓄
b.家具の転倒防止
c.建物の耐震化
d.避難用具の購入
さぁ、上のa-dのどれから手をつけるべきか。
優先基準を生命>財産>生活の質とするなら、優先順は耐震化>転倒防止>避難用具>備蓄の順となる。
それに対し、実行しやすさは、備蓄>避難用具>転倒防止>耐震化の順。
すなわち、多くの人は、備蓄をしただけで”安心”し※、耐震化まで至らない(=備蓄品たっぷりの家の下敷きになって圧死)、という問題点を話している。
※:株価下落のパニック売りと合わせると、この種の人たちは(不安-安心という)感情原理で行動していることがわかる。すなわち動物的なシステム1で行動して、理性的なシステム2に準拠していない。システム1の特徴は反応は早いが不正確なこと。この不正確性を是正するために人類にシステム2が創発されたのに。
まさに”多くの人”はこの通りの行動をしているようで、こういう人たちと異なる行動をした方が正解と言えそうだ。
追記:この記事を書いている最中、神奈川内陸で震度5弱の地震があった。広い意味ではこの地震もフォリピン海プレートの沈み込みによるものなので南海トラフと無関係でない。
それにしても、震度とマグニチュードの対応(ともに5)は直下型の今回も該当した(昨日の日向灘の海洋の地震だと内陸の震度6<震源のマグニチュード7となる)。