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数学でつまずくのはなぜか 小島寛之
題名から推測して平易な本かと思って読んだのだが、哲学書と数学の関連を強く想起させる大変内容の濃い本であった。この本に「つまずいて」しまってはシャレにならないのでじっくり読んだがそれだけの価値が十分にある内容だった。最初の方で(マイナス)×(マイナス)=(プラス)となるじょうずな説明の仕方が載っている。確かにうまい説明で、これなら納得がいくというものだ。しかし、そのうまい説明の仕方を知っても算数が得意になりそうもないところに、「記憶したルールで計算をこなす」という我々が受けた数学教育の欠陥の本質が垣間見えているようにも思われる。それにしても18世紀頃にはマイナスの数字の存在すら一般には信じられておらず、(マイナス)×(マイナス)=(プラス)がさほど定説でもなかったというくだりには驚かされた。また、MIU言語という論理ゲームの部分や、デカルトが「座標軸」というものを発明した話、デデキント無限の話なども、非常に面白かった。(「数学でつまずくのはなぜか」小島寛之、講談社新書)
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