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いっちばん 畠中恵

毎年1冊ずつ発刊される単行本の2年後の文庫化される「しゃばけ」シリーズの7冊目。毎年1冊ずつ読むのが恒例化してきた感じだ。毎回趣向をこらした奇想天外な話で楽しませてくれるのは相変わらずで、本書でも、突然主人公が天狗に攫われる話などは、どうやって思いつくのか不思議なくらいだ。意表をつく展開で、シリーズ7冊目になっても新鮮、飽きることがないのは、年1冊というペースがちょうどいいということもあるが、やはりその話の面白さにあるのだろう。本書では、やや「妖」の活躍場面が少なく、人間社会のごたごたや主人公の成長の方がメインテーマになっている気がする。幼かった主人公の成長とともに、妖の世界が少し遠くなってしまったのかもしれない。これからどういう方向に向かうのか、ますます妖の世界から遠くなっていくのか、楽しみでもあり心配でもある。、(「いっちばん」 畠中恵、新潮文庫)
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