goo

浜村渚の計算ノート 青柳碧人

ライトノベル風の表紙だからといってバカにできない作品が数多くあることは経験的に知っているが、本書もそうした侮れない作品だ。天才数学中学生と「日本における数学教育の改善を目論むテロリスト集団との戦いという突拍子もない設定の話だが、数学に関する知識を通じた両者のバトルは楽しいし、ひねりの利いた謎解きも、妙に説得力がある。四色問題の話で主人公が繰り出す奇手、ゼロに関する話で主人公が相手をぎゃふんと言わせる決めぜりふなど、良く出来ているなぁと感心してしまう。設定がかなり特殊なので、あまりシリーズとして長続きしないのではないかと思ってしまうが、このシリーズ既にあともう2冊刊行されているとのこと。すぐに続きが読みたいというほどではないが、どのような展開で続くのかいずれ確かめてみたいという気はする。(「浜村渚の計算ノート」 青柳碧人、講談社文庫)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )