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動的平衡2 福岡伸一

大好きな著者の最新刊。著者の作品の集大成のような内容だった前作の続編ということで、大きな期待をもって読み始めた。科学的な観察眼とリリックな文体の融合という著者の特徴は健在で、さらに本作では、そうした2つの特徴に加えて、生物学に囚われない著者の多岐にわたる知識が、もう1つの大きな魅力であることが、今までの作品以上にはっきり判ったような気がする。「まえがきにかえて」に掲載されている図版を見ながら、まえがきの文章を読んでいると、著者に見えているものが何なのかが少し深く判ったような気がした。本書の「まえがき」は、それだけで本書を読んで良かったと思えるほどの名文だと思う。その他、鶏卵がヒトの必須アミノ酸9種類を全て含み、そのバランスもヒトに近いという話や、何故ヒトは旅先でおなかをこわすのかという話(腸内細菌が居住地によって個人によって異なるという話)も大変面白かった。(「動的平衡2」 福岡伸一、木楽舎)

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