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狂い咲き正宗 山本兼一

将軍家御腰物奉行の長男だった主人公が、親に勘当され、刀商人に婿入りして、様々な刀を巡る事件に遭遇、子供の頃から培った目利きの才能と知恵を絞って奮闘するという物語。物語1つ1つが「正宗」「村正」「虎徹」といった名刀鍛冶にまつわる話で、刀に関する薀蓄も読んでいて楽しい。「村正」に何故「妖刀」という形容詞がつくのか、初めて知った。江戸時代の武士の矜持、町人の機転、善人ばかりではない世間といった色々なスパイスが効いた短編が並んでいて読者を飽きさせない。(「狂い咲き正宗」 山本兼一、講談社文庫)

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