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本屋大賞2012 予想

今年も本屋大賞ノミネート作品を全部読み終わったので、また受賞作を予想をしてみたい。昨年は、予想で問題外と評価した「謎解きは‥」が大賞を受賞、その後、世の中に遅れて東川篤哉のファンになってしまうという結果に終わり、自分と世の中の趣向や感度の乖離を見せ付けられた思いがしたが、今年それを恐れず個人の好みで予想してみたい。

大賞: 大島真寿美「ピエタ」 : 静謐な文体で綴られる物語、最後の一文の圧倒的な説得力は今でもはっきりと覚えている。主人公と一緒に謎の楽譜の行方を追っていくうちに連れてこられる清冽な世界に脱帽した。

次点: 宮下奈都「誰かが足りない」、小川洋子「人質の朗読会」 : いずれも震災後という状況のなかで、心に響く連作形式の短編集。こういう本を良い本というのだろう。どちらが受賞しても納得できる。

第3位: 中田永一「くちびるに歌を」 : 私自身、震災後は、こうした軽い感じのほのぼのとした作品を読みたくなった。そう思う人が多ければ選ばれる可能性はあるだろう。

別格: 高野和明「ジェノサイド」 : 個人的には最も面白かった。面白さという基準でいえば他を圧倒する面白さだった。既に色々な賞を受賞したりランキング1位になっているので面白さは折り紙付きだが、本屋さんが「これから売りたいと思う作品」という基準で考えると受賞しにくいのではないか。

もしかしたら : 三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」、 三浦しをん「舟を編む」 : この2編は、本屋を取り巻く業界内部ネタの作品ということで、評価が高くなる可能性がある。特に「ビブリア…」は初の文庫本ノミネートという話題性もあって、選ばれる可能性がないとはいえないだろう。

その他、「ユリゴコロ」はイヤミスだし、「しゅららぼん」は傑作だが著者の作品のなかにはもっと面白い作品がある。「プリズム」は展開が荒すぎて個人的にはノミネートされた理由が判らない。

 

 

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