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残月 高田都

みをつくしシリーズの最新作。前作のあとがきに「次回作は1年後」と書かれていたので、1年間待ったことになるが、そんなに待たされたという感じではないし、それで作品の質が維持向上できるなら、それだけ待たされるのも悪くないと思う。そして肝心の新作の出来栄えだが、料理にまつわるエピソードと同時進行で進むストーリーの展開が前作までよりも少し速くなったような気がする。このシリーズには当初から4つの柱があって、そのうちの1つが前作で終焉を向かえたわけが、本作では残りの3つの柱のうち1つがほぼ終焉を向かえ、更にもう1つの柱も終わりが近いことを予感させるところまで話が進む。そうしたスピードアップは、ファンとしては少し淋しい気もするが、だrだらと続くよりは良いし、執筆のペースを落としたことは正しい決断だったと感じる展開だった。(「残月」 高田都、ハルキ文庫)

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