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地図にない場所で眠りたい 高野秀行・角幡唯介

探検本と言えばこの2人ともいうべき2人の対談集。「高野秀行」の本は随分前から色々読んでいて、恐らく作品の半分以上は読んでいるはず。一方の「角幡唯介」は少し前に話題になった「空白の5マイル」が面白かったのが記憶に新しい。二人とも「早稲田大学の探検部」出身、高野さんが角幡さんの10年先輩ということで、高野さんが話をリードし、角幡さんは聞き役なのかと思ったら、全く対等に意見を述べ合っていて、それが妙に楽しい。探検とは、夫々の流儀があり、体育系のような先輩後輩意識があまりないようだ。意外だったのは、高野さんの作品は何れもベストセラーになっているのかと思ったら、重版になった作品はほとんどないとのこと。しかも、ノンフィクション作品に与えられる大きな賞の受賞は、二人ともほぼ同時らしい。そうした2人の「探検」に対する考え方、取材方法、執筆方法などがことごとく違っていて、どちらも甲乙つけがたい。探検本のレジェンドである高野さんと互角に渡り合う角幡さんの存在感が印象的な一冊だった。(「地図にない場所で眠りたい」 高野秀行・角幡唯介、講談社文庫)

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