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ミャンマー権力闘争 藤川大樹

ミャンマー関連の本は、時々チェックして、できるだけ読むようにしている。ミャンマー本には、最近の民主化の動きを解説したもの、ミャンマー語の解説本、僻地への冒険旅行記等様々だが、本書は、スーチー女史のことを中心に書きながら、かなり踏み込んだ最新情勢の解説本になっているのが特徴で、さらにそうした最新事情を説明しながら、それがミャンマーの歴史の解説にもなっているというのが本書の大きな魅力だ。言い換えれば、ミャンマーの歴史、最新事情、アウンサンスーチー女史の伝記の3つをまとめて読んだようなお得感がある。ミャンマーでは憲法の規定で「配偶者が外国人だと大統領になれない」という話は有名だが、その憲法の条文自体、本書で初めて見た。著者は、現職の新聞記者とのことで、色々な関係者へのインタビューや原典の確認などの地道な作業が本書を価値のあるものにしているように感じる。(「ミャンマー権力闘争」 藤川大樹、角川書店)

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