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紅城奇譚 鳥飼否宇

戦国時代の九州を舞台にしたミステリー連作集。著者の本はこれで3冊目になるが、どれも色々な趣向が凝らされていて大変面白い。今回の作品でも、リアリティーよりも不可思議な謎をどう解明するかということを重視した本格派のテイストを堪能できた。現代の常識では計りきれないであろう戦国時代を舞台にすることで、リアリティーの弱さが気にならないように工夫がされているし、もしかすると、常に命の危険にさらされながら戦って生き抜くしかない戦国時代というのは、ミステリーと相性が良いのかもしれない。最後のどんでん返しは少しおざなりだが、そこに至るまでのいくつもの謎が面白いのでそこもあまり気にならなかった。(「紅城奇譚」 鳥飼否宇、講談社)

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