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BUTTER 柚木麻子

残念ながら受賞はならなかったが、直木賞にノミネートされた本書。読み始めてすぐに、著者のこれまでの作品とは明らかに違う雰囲気の作品であることに気付かされる。冒頭から、これまでの軽いタッチの小説とは打って変わって重苦しい内容が続く。読み終えて思ったのは、本書が実に様々な問題提起を含んでいることだ。人間の外見に対する先入観の問題、人間にとって孤独とは何か、あるいは食とは何か、こうした様々な問いかけを通じて、読み手それぞれにどういう生き方をすべきかを問題提起しているように思える。著者の今までとは全く違う作品に出会って、これからどういう作品を読ませてくれるのか、とても楽しみになった。(「BUTTER」 柚木麻子、新潮社)

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