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猫大好き 東海林さだお

いつも通りで期待通りの著者の本だが、本書は何だか何時もより面白い気がした。ずっと前から読んでいるので、著者もかなりなお歳だと思う。それで一時期取り上げるテーマや文章の感じが少し古いかもと感じたこともあったが、本書を読んでいて、そうした古臭さを感じなくなっていることに気が付いた。こうした感覚は、読み手との相対的な立ち位置に左右されるだろう。著者が追いついてきたのか、それとも文章を読んでいる自分が著者に追い抜かれてしまったのか。もしかしたら後者の理由かもしれない。でも、それでまた著者の本を読むのが今まで以上に楽しくなるのなら、別に悪いことでもない。読書の好みが変わるというのはこういうことなのだろう。(「猫大好き」 東海林さだお、文春文庫)

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